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・遺産分割協議書の中で、何も相続しないと書くことにより、実質的には簡便な相続放棄になります。
・家庭裁判所で、相続放棄の手続きをした相続人は、その証明書を添付し、遺産分割協議書には記載しません。
・遺産部活協議の前に、相続分を他の相続人等に譲渡するなどして、遺産分割協議から抜けることができます。
・分割には、①現物分割、②換価分割(現金にして分割)、③代償分割(現物の代わりに現金を受領)があります。
・後日の処分のことを考え、不動産に関しては、共有にしないようにします。
目次
遺産分割協議書の記載内容
遺言がない場合は、法定割合で相続するときを除いて、相続人全員で遺産分割協議を行い、その合意内容を遺産分割協議書としてまとめる必要があります。相続人全員が実印を捺印し、その印鑑登録証明書を添付します。
- 不動産の記載方法
不動産を特定する場合、通常は、以下のように記載します。- 土地:所在、地番、地目、地積
- 建物:所在、家屋番号、種類、構造、床面積
不動産の数が多く、簡潔に記載したい場合は、土地は、所在、地番まで、建物は、所在、家屋番号まで書けば、不動産登記上は良いことになっています。
不動産番号だけで済ます方法は、実際の不動産が分かりにくいこともあり、基本的には避けるべきです。しかし、登記申請書では、不動産番号で済ますことが、不動産登記法上認められています。
- 預貯金の記載方法
預貯金は、銀行、口座番号など、その預貯金を特定するに足る情報を記載します。できれば、金額は書かず、口座単位で分割するようにします。金額を記載しないと全体の金額のバランスが見えにくい等の理由により、金額を記載する場合は、必ず(○月○日現在)と記載するようにします。遺産分割協議書作成時点と実際に解約する時点では金額が違ってくるからです。
遺産分割協議証明書
遺産分割協議書には、相続人全員が記名、実印押印します。しかし、ときには相続人が十名を超すなど非常に押印者が多い場合があります。同じ文書に押印する場合は、順次、郵送していくことになり、その郵送期間を足しこむと相当の日数がかかることになります。
そこで、そのような場合、実務的には遺産分割協議証明書という文書で済ますことがあります。文章は遺産分割協議書と全く同一ですが、各相続人が押印する文書をそれぞれ別々にします。それによって、文書を同時に発送することができますので、郵送期間が基本的に1往復だけになり、大幅な日数の短縮が図られます。相続人全員分が揃った段階で、正式な遺産分割協議書が完成します。
遺産分割の方法
遺産分割の方法には大きく3つの方法があります。
現物分割が原則ですが、相続人の意向や、相続財産の性質によっては、換価分割となる場合があります。ただし、代償分割は、相続人に過度の負担が生じたり、争いの元となりますので、注意が必要です。
- 現物分割
遺産の一つ一つを現物で分配する方法です。
例:着物、宝石、電化製品など - 換価分割
分配を現物分割でしてしまうと価値が下がる、相続人全員が使用しないなどの理由で、現金などに換価して分配する方法です。
例:あまり広くない土地、誰も使用しなくなった実家など - 代償分割
現に利用していたり、現物・換価分割によることが後々に問題を起こす遺産がある場合、相続人の一人に相続分を超える遺産を現物で相続させ、他の相続人にはその遺産の価格分を支払う方法です。
例:現在も居住する実家、農地その他事業用地などの不動産、経営する会社の自社株など。ただし、支払う相続人には、過度の負担がかかる場合も多く、その負担額には配慮が必要です。税理士などの専門家とともに、綿密な話し合いと合意が必要です。
※代償分割が認められる判例による基準
(1)遺産が細分化を不適当とすること
(2)共同相続人間に代償金支払の方法によることの争いがないこと
(3)遺産の評価がおおむね共同相続人の間で一致していること
(4)遺産を取得する相続人に債務の支払能力があること
不動産の分割方法
現物分割
現物分割とは、個々の財産についてその取得者を個別に決定する分割方法です。自宅は長男へ、預貯金は長女へ、有価証券は次男へというように、個々の財産を 分割しないでその現物のまま分割する方法です。この方法ですと、相続財産における自宅不動産の占める割合が大きい時に困ります。自宅を相続する人の相続割 合が大きすぎることになり不公平になってしまいます。不動産を分割しても意味がある程広いのであれば、不動産自体を分割するという話もありますが、現実的 にそのようなケースは多くはありません。
換価分割
代償分割をしたいが、不動産を相続する人が他の相続人に渡す現金を用意できないケースなどの時に採用されます。不動産を実際に売却してその代金を相続人間 で配分します。ただ、実際には被相続人の住んでいた住居に継続して居住したい、あるいは出てしまったら他に住むところがなくなってしまう等の理由で、なか なか自宅を売却することが出来ないケースがあります。また換価分割の場合は売却時の税金にも注意する必要があります。
代償分割
そこで、代償分割という方法が良く行われます。遺産のほとんどが自宅不動産で、相続人の一人が継続的に居住、かつ相続となると、その人が遺産の多くを相続 することになります。結果として、分割割合が不公平になってしまいます。その場合には、まずその不動産を売却したと仮定して、その想定売却金額と他の預貯 金等を合計して、総遺産額を算出します。そして、その金額を分割割合で配分するわけです。しかし、結果として、不動産を相続する人が多額の現金を他の相続 人に渡す必要が出てきます。その現金の捻出に苦労する場合があります。
- 代償分割に用いる不動産の価格
売却を想定して分割するので、原則的には売却価額(時価・取引価格)になりますが、実際には想定が難しいです。簡易的には、土地の固定資産評価額を0.7で割ると時価の取引価格、0.8で割ると路線価になります。その時価を用いるか、現実には思うような金額では売却できないことや、各種の税金、不動産業者の手数料等が必要なことを考慮し、路線価を採用することになります。路線価は、別途インターネットの路線価図、あるいは税務署で調べることができますので、その金額と突き合わせることで妥当性の確認ができます。ただ、どのくらいの金額で合意するかは自由ですので、固定資産評価額を採用するなど、相続人間の各種の事情を勘案して決定するのであれば、それはそれで何の問題もありません。
共有
不動産を共有のままにしておくことも出来ます。現物分割では遺産が偏りすぎ、代償分割では自宅を継続使用する人が現金を用意できず、換価分割では住むとこ ろがなくなってしまう、となると共有のままということになります。しかし共有はその時は良いとしても年月が経過しますと必ず不都合が生じてきます。共有者 の一人がお金が必要になり売却したいと思っても全員の同意が必要です。また共有者が亡くなると相続が発生し、権利関係が複雑になってしまいます。共有は避 ける方が無難です。
名義変更をしない場合
現実的には、何もしないというケースもあり得ます。自宅がまだ亡くなった人の名義のままというケースがよくあります。年とともに相続人が亡くなっていきま すので、その相続も発生します。関係者が増えて複雑になってしまいます。基本的に中間省略登記は出来ませんので、いつかは亡くなった人の順番に逐次相続処 理をしなくてはなりません。面倒なことを次世代、次々世代に押し付けているだけになります。相続登記は早めに行うことが必要です。
特別受益分と寄与分
特別受益分
被相続人の生前、他の相続人よりも多い贈与を受けていた相続人には、相続分を前受けしていたという”みなし”により、受け取る遺産を少なくすることができます。例えば、結婚費用、住宅購入費用、転居費用、学費などまとまった金額を他の相続人よりも多く受け取っていた場合です。
計算方法としては、まず特別受益分の金額を加えた金額を遺産総額とし、その金額を元に遺産分割します。特別受益分を受けていた相続人は自分に分割された遺 産金額から特別受益分相当額を引いた金額が実際の受け取り分になります。但し、その計算結果としてマイナスになっても贈与を受けていた金額を戻すことはありません。
寄与分
被相続人の生前、他の相続人よりもより多く被相続人に貢献、寄与していた相続人は他の相続人より多くの遺産を受け取れることができます。例えば、被相続人の事業を手伝っていた、生活の面倒を見ていた、介護をしていた、などの場合です。相続人間で寄与分の金額が合意できれば良いですが、合意できな場合は、家庭裁判所が寄与の時季、方法及び程度、相続財産の額その他の事情を考慮して決めます。しかし、現実的には寄与分の主張、立証、金額の算出は難しく、家裁が認めるケースはそれほど多くはないようです。
計算方法としては、まず寄与分の金額を遺産総額から引き、最初に寄与分を受ける相続人に渡してしまいます。遺産分割は寄与分が引かれた金額で行うことになります。なお、寄与分はあくまで相続人に認められますので、相続人の妻が被相続人の介護をしていたとしても寄与分が認められるわけではありません。
第三者へ遺産の一部を与えたいとき
- 相続人全員が合意して、被相続人の世話をした第三者に遺産の一部を分け与えたいというケースがあり得ます。
- 遺産分割協議書とは、あくまでも、相続人全員が合意して、署名、実印捺印するものなので、その第三者が遺産分割協議に参加することはできません。
- この場合、相続人の一人が、その第三者の分も含めて一度相続し、その後、遺産分割外で、その第三者に贈与することになります。
- 後々、問題が発生しないように、遺産分割外で第三者に贈与することも、遺産分割協議書に記載する方が無難だと思われます。
- 仮で受領する相続人とその第三者の関係は贈与契約になりますので、契約書を作成する方が良いでしょう。
- 遺産分割協議書の作成が終了した後で、その第三者が受け取りを拒否するなど、予定どおり贈与契約が成立しないこともあり得ます。
- そのため、遺産分割協議書作成前に、二者間、又は他の相続人を含めた贈与契約を締結するのも一つの方法です。
- 相続税が発生する相続の場合、その第三者の分を仮で受け取った相続人に相続税が多くかかるので注意が必要です。
- また、間接的に遺産を受け取る第三者には、贈与税が発生します。
相続分の譲渡
相続が開始することにより、各共同相続人は、相続財産に対して、その相続分に応じて持分を有します。そして、遺産分割協議前であれば、各共同相続人はその有する持分を、他の共同相続人又は第三者に無償、有償で譲渡することができます。何かの理由で、遺産分割に関わりたくない場合、特定の相続人に自分の相続分を譲りたい場合に有効です。
遺産分割協議書の中で同等のことを書くことはできますが、他の相続人が合意しない場合や、譲りたい相手が何かの理由で主張しにくい場合などでは、かなり手間取ることが考えられます。そのようなとき、相続分そのものを譲渡してしまえば、話が明確です。
家庭裁判所で相続放棄の申述をしますと、相続人が減ることになり、遺留分が増えます。遺留分を増やさずに、自分の遺産を誰かに譲りたいときにも有効な方法です。
以下のような、相続分譲渡説明書を作成します。
相続分譲渡証明書の例
相続分譲渡証明書 被相続人 ◇◇ ◇◇ (平成○年○月○日死亡) 最後の本籍: 東京都○○区○○町○丁目○番地 私は、上記◇◇ ◇◇の相続人であるところ、私の有する相続分の全部を下記の者に譲渡します。 平成○年○月○日 相続人 東京都□□区□□□丁目□番□号 (実印) 譲受人 東京都△△区△△△丁目△番△号 △△ △△ 様
サイン証明書
遺産分割協議書には、相続人全員が実印を押印し、印鑑登録証明書を添付するのが一般的です。しかし、必ずしも相続人全員が日本に居住しているとは限りません。海外に居住している人は基本的に印鑑登録証明書を添付することはできません。その場合は、実印押印、印鑑登録証明書添付に代わる方法として、サインをしてサイン証明書を添付します。
法務局としては、間違いを防ぐため、「サイン証明書と遺産分割協議書は別々ではなく、合綴(がってつ)して欲しい。」とのことです。ただし、事情によっては、合綴していなくても認めることはあるようです。
町田・高橋行政書士事務所の遺産分割協議書サポート
サポート内容
状況をお聞きして、法律的に有効な遺産分割協議書を作成します。
また、相続人が遠隔地に住んでいる場合などでは、相続人全員の署名、実印押印、印鑑登録証明書の依頼が結構手間になることがあります。当事務所では、電話、メール、郵送などにより、遺産分割協議書の記載内容を相続人に確認してもらうことから、相続人全員の署名、押印、印鑑登録証明書の取得依頼まで、遺産分割協議書作成から完成までの全てを担当することも可能です。
費用
当事務所の報酬:3万円(税別)~
「一人で全て相続する」など、簡単な内容で遺産分割協議書を作成するだけの場合。
遺産分割協議書の内容により金額は異なります。
以下の業務にも対応いたします。
・相続人の調査
・相続財産調査
・相続人への捺印依頼
打合せ後、事前見積りをいたします。
期間
内容が決まっていれば、数日で可能です。
相続人の署名、押印、印鑑登録証明書の依頼まで担当する場合は、相続人の人数によります。
対応エリア
- 町田市などの東京都
- 相模原市、横浜市、川崎市、座間市、厚木市、大和市、綾瀬市、海老名市などの神奈川県
- ご依頼内容によっては全国対応、海外対応もいたします。
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