遺言がないときに必要になる 遺産分割協議 書の作成、あるいは作成サポートを全国対応します。
※リモート対応(メール、(TV)電話、FAX、郵送など)をいたします。
・遺産分割協議書の中で、何も相続しないと書くことにより、実質的には簡便な相続放棄になります。
・家庭裁判所で、相続放棄の手続きをした相続人は、その証明書を添付し、遺産分割協議書には記載しません。
・遺産部活協議の前に、相続分を他の相続人等に譲渡するなどして、遺産分割協議から抜けることができます。
・分割には、①現物分割、②換価分割(現金にして分割)、③代償分割(現物の代わりに現金を受領)があります。
・後日の処分のことを考え、不動産に関しては、共有にしないようにします。
相続に関するページ
遺産分割の方法
遺産分割の方法には、一般的に以下の3種類あります。
- 遺言による分割
- 遺産分割協議による分割
- 法定分割による分割
- 遺言があれば、遺言を優先し、遺言どおりに相続手続きを行います。
- 遺言がない場合は、相続人間で分割方法に関して協議、合意し、そのとおりに相続手続きを行います。
- 遺言がなく、相続人間の協議もまとまらない場合は、法定相続割合で相続手続きを行います。
遺言による分割
公正証書遺言の場合
- すぐに遺産分割手続きに入れます。
自筆証書遺言の場合
- 自筆証書遺言で法務局に預けている場合
- すぐに遺産分割手続きに入れます。
- 自筆証書遺言で法務局に預けていない場合
- 相続人の調査と確定
- 家庭裁判所の検認
- 遺産分割
遺産分割協議による分割
法定分割による分割
- 相続人の調査と確定
- 相続財産の調査と確定
- 遺産分割の実施
遺言による分割
遺言の調査
- どなたかが亡くなった場合、まず最初に行うことは、遺言があるかどうかの確認です。
- 自筆証書遺言は、自宅又は金融機関の貸金庫にあることが多いので、家の中を探したり、銀行に問い合わせたりします。
- 公正証書遺言は,日本公証人連合会が全国のものを一括してコンピュータで管理していますので、近くの公証役場を経由して調べてもらいます。
- 公正証書遺言を作成した公証役場名,公証人名,遺言者名,作成年月日等が登録されていますが、照会するときは、氏名と生年月日で行います。
- ただし、コンピュータ管理されているのは、平成元年以降に作成されたもので。それ以前のものは、公証役場ごとで管理しています。
- 照会依頼ができるのは、相続人等利害関係人のみに限定されています。公証役場に行く際は、亡くなった方の死亡の事実が記載されていて、かつ依頼人との関係が分かる戸籍謄本を持参します。
遺言が複数あるとき
- 遺言者は、いつでも、その遺言の全部又は一部を撤回することができます。(民法1022条)
よって、後の日付の遺言が優先されます。 - 前の遺言が後の遺言と抵触する時は、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。(民法1023条)
- 前の遺言が後の遺言と抵触していない時は、その抵触していない部分については、前の遺言が有効になり得ます。
- 後の遺言で前の遺言を撤回した時は、その後の遺言が撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、原則的に、前の遺言の効力は回復しません。(民法1025条)
- 公正証書遺言と自筆証書遺言の間に優劣の差はありません。
自筆証書遺言の検認手続き
検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
- 申立人
- 遺言書の保管者
- 遺言書を発見した相続人
- 申立先
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所 - 申立てに必要な費用
遺言書1通につき収入印紙800円分
連絡用の郵便切手(管轄の家庭裁判所に問合せします。) - 申立てに必要な書類
- 申立書
- 添付書類(相続関係により異なってきますが、少なくとも以下の書類が必要です。)
- 遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- 遺言者の出生から死亡までの戸籍類には、写しを添付して、原本還付の申請をするようにします。その旨の申請をしないと還付されないので注意が必要です。
申立人に関して
- 遺言書の保管者とは
- 「遺言書の保管者」とは、「遺言書を保管していた人」ではなく、「遺言書を申し立ての時点で保管している人」の意味です。
- 遺言書を保管していた人が、病気などで家庭裁判所に検認に行くことができないなどのときは、その遺言書を他の人に預けて申立人になってもらいます。
- 委任状という発想は、現実的に不要ということになります。
検認手続きの流れ
- 必要書類を持参又は送付して、家庭裁判所に申立てをします。
- 追加書類等があれば問い合わせがきます。
- 申立てから1ヶ月程度で、相続人全員に、検認期日の連絡が郵便で送られてきます。
- 検認への出席
- 申立人は出席しなければなりません。
- 全員が集まらなかったとしても、検認は行われます。
- 欠席した相続人には終了通知が送られます。
- 検認当日
- 申立人は、遺言書と印鑑を持参します。
- 遺言書が複数ある場合は、すべて持参する必要があります。
- 出席した相続人と家庭裁判所の裁判官、書記官の立会の元、遺言書を開封し、日付、筆跡、署名、本文等の確認をします。
- 裁判官が、相続人に対して、遺言書の筆跡が被相続人の筆跡かどうかを順次確認していきます。
- 確認後、検認調書が作成されます。
- 相続手続きをするために検認証明書の発行申請をします。
- 特に問題がなければ、時間的には、10分程度で済みます。
検認の意味
- 検認は、遺言書の偽造・変造を防ぐための証拠保全手続とされています。
- 遺言書の状態が確定され、最終的な遺言書として扱われるものとなります。
- 厳密には、遺言書は検認を経たからといって、「有効」になるわけではありません。
- ただ、実務的には、不動産の相続登記や銀行預金の払戻しには、検認済み証明書が必要です。
- 逆に言えば、検認済みの自筆証書遺言は、公正証書遺言とほぼ同様に、「有効なものとして」扱われます。
(おそらく、全法定相続人が一堂に会して、当該自筆遺言が正当なものとして合意された、という判断によるものなのかと思われます。) - 検認において、裁判所は、有効/無効の判断をしませんので、もし有効性に争いがある場合は、別途争いを起こすことになります。
- 検認において、相続人の一部から疑義の申立てがあった場合、裁判官がどのような発言をし、どの程度の記録が残されるかは、それぞれの裁判官によって違いがあるようです。
検認に関する事例
以下のような事例があります。
事例1:遺言者が全文を書いていない
- 一部を遺言者、一部を相続人が書いた自筆証書遺言が検認されていました。
- 筆跡が明らかに違っており、同一人が全文を書いていないのが明白なケースでした。
- このとき、申出人である相続人は、家裁の裁判官に対して、一部は自分が書いたと明言しました。
- それにも関わらず、当該自筆証書遺言は、何の支障もなく検認が通りました。
- 検認は、有効/無効の判断をする場ではないとはいえ、相続人が一部を書いたと明言しているのにも関わらず検認が通っているのには少し驚きました。
事例2:遺言書を複数提示
- 作成日付の違う自筆証書遺言を検認の場で2通提示したところ、2通とも検認が通りました。
- 遺言が複数あるとき、新しい日付の遺言が有効というのは一般的によく知られています。
- ただ、前の日付の遺言の中に、後の遺言で否定されない(矛盾しない)部分があれば、その部分は生きることがあります。
- その点を考慮して、複数の遺言の検認が通ったものと考えられます。
遺留分と遺留分の請求
遺言執行者
遺言執行者とは、遺言書の内容を具体的に実現する人をいいます。遺言書に書かれている内容・趣旨にそって、相続人の代理人として相続財産を管理し、名義変更などの各種の手続を行います。
遺言書の内容には、遺言執行者をおかなくても、相続人が自分たちで執行できるものもあります。しかし、遺言はしばしば相続人の間で利益が相反する内容も多く、相続人全員の協力が得られられない場合があります。そのような場合には遺言の内容を第三者の立場から忠実に、かつ、公平に実行してくれる遺言執行者を指定しておくことが重要です。
遺言執行者は、遺言で指定される場合と、被相続人が亡くなった後に家庭裁判所により選任される場合とがあります。遺言執行者に指定された者は、就職を承諾することも拒絶することも自由ですが、承諾したときは、直ちに任務を行わなければなりません。
遺言執行者を指定しないと、遺言どおり相続財産が処分されるか分かりません。遺言を遺すときは、遺言執行者の指定は必須と言えます。遺言執行者の指定がないとき、遺言執行者が被相続人より先に亡くなってしまったときなどでは、家庭裁判所で選任してもらいます。
家庭裁判所による選任
民法1010条に、「遺言執行者がないとき、またはなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によってこれを選任することができる。」とあります。
- 遺言執行者がないときとは、
①指定または指定の委託がない、②指定された者が就職を拒絶した場合などです。 - 遺言執行者がなくなったときとは、
遺言執行者につき死亡、解任、辞任、資格喪失などの事由が生じた場合です。
申立人は、利害関係人(相続人,遺言者の債権者,遺贈を受けた者など)です。遺言により、利益を受ける人は、波風を避ける意味でも遺言執行者に相続財産の処分を依頼すべきでしょう。申立人は1人でも構いません。
申立先は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。
申立てに必要な費用は、遺言書1通につき収入印紙で800円分です。
連絡用の郵便切手は、横浜家庭裁判所では、以下の1947円分です。
500円×2枚、82円×9枚、52円×2枚、10円×8枚、2円×10枚、1円×5枚
申立てに必要な書類は以下のとおりです。
- 申立書
- 標準的な申立添付書類
- 遺言者の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本(全部事項証明書)
- 遺言執行者候補者の住民票又は戸籍附票
- 遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し
- 利害関係を証する資料(親族の場合,戸籍謄本(全部事項証明書)等)
家庭裁判所への申立書には、通常、遺言執行者の候補者を記載しておきます。
遺言執行者の任務
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。また、遺言執行者がいる場合には、相続人は、遺言の対象となった相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるような行為は一切禁止されます。この規定に反した相続人の行為は無効です。
具体的な任務は以下のとおりです。
- 相続人・受遺者へ遺言執行者に就任した旨の通知を出します。
遺言書の写しを添付します。 - 除籍謄本等、必要な書類を官公署から収集します。
- 相続関係を確定し、相続関係説明図を作成します。
- 不動産、預貯金等の相続財産の調査をして確定します。
- 相続財産リスト(遺産目録)を作成し、相続人・受遺者へ交付します。
- 受遺者に対して、遺贈を受けるかどうか確かめます。
- 遺言による認知があった場合、市町村役場に戸籍の届出をします。
- 相続人を廃除する旨の遺言があった場合、家庭裁判所に廃除の申立てをします。
- 預貯金の解約手続きを行います。
- 不動産があるときは、相続登記の手続きのサポートをします。
登記申請は司法書士が行います。 - 遺言に従って受遺者へ財産を引き渡します。
- 相続税が発生するときは、相続税申告手続きのサポートをします。
相続税申告は税理士が行います。 - 遺産に係る計算書、報告書を作成し、相続人等へ交付します。
- その他、相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為をします。
相続債務の返済
- 遺言は、基本的に、プラスの財産に対する分割方法を指定します。
- 遺言者は、自分の債務について、承継方法を決める権限はないとされています。
- 例えば、資力のない相続人にのみ、債務を承継させることができるとすると、債権者にあまりに不利になるためです。
- 相続債権者は、債権を法定相続割合に分けて法定相続人各自に請求することもできますし、遺言の割合通りに請求することもできます。いずれも可能です。
- ただし、遺言により相続財産を承継しない法定相続人が相続債務の返済を行った場合、相続財産を承継した法定相続人に対してその返済分を請求することが可能です。
遺言の内容に納得できない場合
- 遺言は、遺言者が自己の財産の処分方法を決定した文書です。
- 内容に反対とか、納得がいかないとか言うべき性質のものではありません。
- 基本的には、渋々であろうと、遺言内容に従うことになります。
- ただし、以下の方法はあり得ます。
- 他の相続人、利害関係者全員と調整して、遺産分割協議書を合意して作成し、遺言内容とは異なる遺産分割とする。
- 遺留分の計算をし、侵害しているようであれば、遺留分の請求をする。
- 正当な理由があれば、家裁に調停の申し立てをする。
遺言内容と異なる分割をしたいとき
遺産分割協議書を作成する
- 遺言に書かれている内容とは異なる方法で遺産分割をしたいという要望があり得ます。
- 相続人等、利害関係者が全員合意している場合は、遺言がないことにして、遺産分割協議書を作成する方法が考えられます。
- 遺言者の意思と異なりますので、本来の方法ではありませんが、現実的には可能となります。
- 仮に、第三者の遺言執行者がいるとしても、遺言者が亡くなっている以上、異を唱えようがないことになります。
不動産のみの分割方法を変更する
- 不動産のみを変更する場合は、不動産のみの遺産分割協議書を作成することで、現実的には可能だと思われます。
- ただし、相続税が発生する場合は、税務署に矛盾した遺言書と遺産分割協議書を提出するわけにはいきませんので、結局は相続財産全体の遺産分割協議書を作成することになります。
遺産分割協議による分割
遺産分割協議書の記載内容
遺言がない場合は、法定割合で相続するときを除いて、相続人全員で遺産分割協議を行い、その合意内容を遺産分割協議書としてまとめる必要があります。相続人全員が実印を捺印し、その印鑑登録証明書を添付します。
- 不動産の記載方法
不動産を特定する場合、通常は、以下のように記載します。- 土地:所在、地番、地目、地積
- 建物:所在、家屋番号、種類、構造、床面積
不動産の数が多く、簡潔に記載したい場合は、土地は、所在、地番まで、建物は、所在、家屋番号まで書けば、不動産登記上は良いことになっています。
不動産番号だけで済ます方法は、実際の不動産が分かりにくいこともあり、基本的には避けるべきです。しかし、登記申請書では、不動産番号で済ますことが、不動産登記法上認められています。
- 預貯金の記載方法
預貯金は、銀行、口座番号など、その預貯金を特定するに足る情報を記載します。できれば、金額は書かず、口座単位で分割するようにします。金額を記載しないと全体の金額のバランスが見えにくい等の理由により、金額を記載する場合は、必ず(○月○日現在)と記載するようにします。遺産分割協議書作成時点と実際に解約する時点では金額が違ってくるからです。
遺産分割協議証明書
- 遺産分割協議書には、相続人全員が記名、実印押印します。
- しかし、ときには相続人が十名を超すなど非常に押印者が多い場合があります。
- 同じ文書に押印する場合は、順次、郵送していくことになり、その郵送期間を足しこむと相当の日数がかかることになります。
- そこで、そのような場合、実務的には遺産分割協議証明書という文書で済ますことがあります。
- 文章は遺産分割協議書と全く同一ですが、各相続人が押印する文書をそれぞれ別々にします。
- それによって、文書を同時に発送することができますので、郵送期間が基本的に1往復だけになり、大幅な日数の短縮が図られます。
- 相続人全員分が揃った段階で、正式な遺産分割協議書が完成します。
- 遺産分割協議証明書は、原則的に、相続人全員が各自別々に、遺産分割協議書の内容の書面に署名及び実印捺印します。
- つまり、表題は遺産分割協議証明書ですが、内容は遺産分割協議書と同一になります。
- 例外的に、遺産に不動産が含まれていない場合、相続人各自が自分の受け取る分の遺産だけが記載された遺産分割協議証明書でも良いことになっています。
サイン証明書
遺産分割協議書には、相続人全員が実印を押印し、印鑑登録証明書を添付するのが一般的です。しかし、必ずしも相続人全員が日本に居住しているとは限りません。海外に居住している人は基本的に印鑑登録証明書を添付することはできません。その場合は、実印押印、印鑑登録証明書添付に代わる方法として、サインをしてサイン証明書を添付します。
法務局としては、間違いを防ぐため、「サイン証明書と遺産分割協議書は別々ではなく、合綴(がってつ)して欲しい。」とのことです。ただし、事情によっては、合綴していなくても認めることはあるようです。
町田・高橋行政書士事務所の遺産分割協議書サポート
サポート内容
状況をお聞きして、法律的に有効な遺産分割協議書を作成します。
また、相続人が遠隔地に住んでいる場合などでは、相続人全員の署名、実印押印、印鑑登録証明書の依頼が結構手間になることがあります。当事務所では、電話、メール、郵送などにより、遺産分割協議書の記載内容を相続人に確認してもらうことから、相続人全員の署名、押印、印鑑登録証明書の取得依頼まで、遺産分割協議書作成から完成までの全てを担当することも可能です。
費用
当事務所の報酬:3万円(税別)~
「一人で全て相続する」など、簡単な内容で遺産分割協議書を作成するだけの場合。
遺産分割協議書の内容により金額は異なります。
以下の業務にも対応いたします。
・相続人の調査
・相続財産調査
・相続人への捺印依頼
打合せ後、事前見積りをいたします。
期間
内容が決まっていれば、数日で可能です。
相続人の署名、押印、印鑑登録証明書の依頼まで担当する場合は、相続人の人数によります。
対応エリア
- 町田市などの東京都
- 相模原市、横浜市、川崎市、座間市、厚木市、大和市、綾瀬市、海老名市などの神奈川県
- ご依頼内容によっては全国対応、海外対応もいたします。
問合せ
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