ご存知のように平成18年5月1日施行の会社法によって株式会社の設立が簡単になりました。一人で株式会社を設立し、代表取締役社長になることが出来ます。
今回は出来るだけ簡単に、一人で株式会社を設立し、代表取締役社長になる方法です。れっきとした株式会社です。
株式会社設立には、2つのステップが必要です。
定款を作成して公証人に認証してもらうステップと法務局に株式会社の設立登記を申請するステップです。
定款の作成
定款とは会社の定義、基本的なルールになります。そのルールが法律に則していることを公証役場の公証人に認証してもらうことが必要です。公証役場は市、区などを単位に全国に300箇所あり、公証人の多くは元裁判官、元検事などです。
定款のサンプルは書籍、Web等で入手できます。最もシンプルなオプションを選択して定款を作成します。株式会社では株主総会と取締役1名が最低限必要になります。以下、定款作成上のポイントです。
・会社名を決める必要がありますが、現在では大抵の名称が通ります。
・同じ会社名が同一市区町村にあるかどうかは問われなくなりました。
・会社の所在地は自宅にします。
・株式会社設立の発起人が必要ですが、自分ひとりで構いません。
・株主も自分ひとりです。
・資本金は1円でも構いませんが、例えば1万円で1株にします。
・株式は全て譲渡制限株式にして非公開会社にします。
・株券を紙で発行する必要はありません。
・株主総会は一応形式的に必要です。
・取締役を決める必要がありますが、自分一人で構いません。一人で代表取締役になれます。
また取締役任期は面倒なので最長の10年にします。
・取締役会を置く必要はありません。
・監査役も必要ありません。
・事業目的、具体的な業務内容を記載します。
公証役場で定款の認証
作成した定款を自分で公証役場に持って行き認証を受けます。印紙代4万円、公証人手数料5万円等で、合計9万円強です。ところが電子認証という制度があります。電子認証にすれば印紙代4万円を削減できます。ただ、個人がそれをするのは意味がありません。準備だけで4万円程度かかりますし、セットアップが結構面倒です。会社設立を代理で行っている事務所の多くは電子認証に対応しています。つまり9万円程度で定款作成から電子認証までしてくれるところがあれば、定款作成の手間が省けるので依頼する方が得と言うことができます。
法務局で設立登記申請
次が法務局への株式会社登記ですが、これも本人申請が原則です。以下のものを用意して申請します。
・登記申請書
・OCR用申請用紙
・定款
・印鑑証明書
株式会社設立の登録免許税は15万円です。
なお、会社の代表者印を作成する必要があります。1万円程度から作成できます。
結局、25万円程度で株式会社の代表取締役社長になることが出来ました。手間もそれほどのことはありません。誰でもとりあえずは社長になることが出来ます。社長になることは易しいです。難しいのは社長になってからです。
(2009年11月10日)