優れた技術者や研究者を海外から日本に呼び込む制度である高度人材ポイント制が、条件が厳しいこともあり、利用件数が伸び悩んでいます。2012年5月に始まり、高度人材外国人として認められた人数は、開始12ヶ月時点の目標が2,000人のところ、開始11か月時点で434人です。高等教育を受けた人口に占める外国人移住者比率は、オーストラリア28%、欧米主要国は10%台、日本は先進国最低の0.7%です。
制度の概要
高度人材に対するポイント制による優遇制度とは,現行の外国人受入れの範囲内で,経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人(=高度人材)の受入れを促進するため,ポイントの合計が一定点数に達した者を「高度人材外国人」とし,出入国管理上の優遇措置を講ずる制度です。主な対象者は、以下の3タイプです。
- 企業と大学の研究者
- ITや工学の技術者
- 外資系企業の幹部
ポイント評価
申請人の希望に応じ,高度人材外国人の活動内容を
の3つに分類し,それぞれの活動の特性に応じて,
「学歴」,「職歴」,「年収」,「年齢」、「研究実績」
などの項目ごとにポイントを設定し,評価を実施します。例えば、
学歴が修士号(20点)、職歴が5年(10点)、年収が900万円(35点)、年齢が30~34歳(10点)
で合計70点以上になり、高度人材外国人と認定されます。
優遇措置
ポイント評価の結果,70点以上の高度人材外国人には,以下の出入国管理上の優遇措置が付与されます。
- 複合的な在留活動の許容
研究者が自分の研究成果を使ってベンチャー企業を立ち上げ、経営することができます。
- 5年の在留期間の付与
- 在留歴に係る永住許可要件の緩和
概ね5年で永住許可の対象となります。
- 一定の条件の下での高度人材の親の帯同の許容
年収1,000万円以上で、子どもが2歳以下などの要件
- 一定の条件の下での高度人材に雇用される家事使用人の許容
年収1,500万円以上で、メイドの月収20万円以上、子どもが12歳以下などの要件
- 高度人材の配偶者の就労
- 入国・在留手続の優先処理
(2013年 9月30日)