銀行口座の開設

銀行口座の開設

株式会社専用の銀行口座を開設する必要があります。
口座開設には会社の登記簿謄本が必要なため、会社設立手続きが完了した後に開設します。
銀行口座開設に関しては、ご本人が直接銀行に出向く必要があります。

銀行口座開設時に必要なもの

口座開設には、銀行によって多少異なりますが、以下のようなものが必要になります。

   * 口座開設依頼書(銀行に備え付けのものです。)
   * 登記事項証明書(登記簿謄本)
   * 認証を受けた会社の定款
   * 法務局から交付を受けた代表取締役の印鑑証明書
   * 法務局へ届け出た代表印
   * 銀行印に使用する印鑑
   * 本人の身分証明書  など

銀行口座開設時の注意点

その後、個人の口座にある資本金を会社の口座に移します。
必ずしも必須ではないのですが、資本金が100万円であれば、残高をきっちり100万円にした方がきれいですし、わかり易いと言えます。

なお、銀行によっては最低資本金が決まっているところがあるようです。もし、特定の銀行に口座を作りたいのであれば、事前に確認しておく方が無難です。当然、銀行は怪しい会社とは取引をしたくありませんから、信頼できる会社、信頼できる人物という印象をもってもらう必要があります。申し込みから実際に口座が開設されるまでに1週間ほどは見たほうが良いでしょう。

設立準備で使用したお金は経費になります。明細を作成し、その立替費用を会社の口座から落とすようにします。以後、会社のお金と個人のお金はきっちりと別管理する必要があります。あいまいにしておくと後で思い出すのに結構苦労することになります。

一般には、銀行印は代表取締役印とは別のものを使用します。会社設立登記の前に、会社角印と合わせた3点セットを作成することが多いです。1万円程度から作成できます。

銀行の選択

銀行、金融機関のタイプ

銀行、金融機関にはいくつかのタイプがあります。

  • 都市銀行、地方銀行
    知名度、信頼感がありますが、振込手数料等が相対的に高く、銀行あるいは支店によっては出来たばかりの会社を軽く見ることがあるかもしれません。お客様が大きな企業で広い範囲に渡っている場合は地銀、都市銀が良いと言えます。
  • 信用金庫、信用組合
    地元密着で、小企業、店舗等が主要顧客の身近な銀行です。全国的な知名度が低く、インターネットサービスが弱いところがあるかもしれません。地域限定ビジネスの場合に向いていると言えます。
  • インターネット銀行
    全国的知名度は割と高く、インターネット機能が充実し、各種手数料が安いというメリットがあります。ただ、サービスの範囲が限定されていることも多く、対面性がないのでいざという時に相談することが基本的にできません。比較的少額で取引量の多いコンシューマビジネス向けと言えます。

銀行、金融機関選択のポイント

銀行、支店を選択するポイントは以下のとおりです。

  • 対面性が必要か
    将来の融資等を考慮すると対面性が必要になるケースが考えられます。1行は対面性のある銀行を持っている方が良いと言えます。
  • 自宅、最寄駅から至近距離に営業店があるか
    銀行への移動時間は意外と大きな要素になります。近いことに越したことはありません。地域中心ビジネスであれば、役に立つ情報も得られやすくなります。
  • 全国的な知名度が必要か
    お客様が大きな企業であれば、やはり銀行名は通っている方が良いと言えます。
  • 取引量が多いか
    振込手数料が結構高いです。少額の振込等が多いとかなり手数料がかさむことになります。同一行内での振込手数料無料、半額等のサービスを考慮に入れる方が良いでしょう。
  • インターネットサービスの必要性はどの程度か
    銀行に出向かずに、あるいは移動中にリアルタイムで処理できるインターネットサービスは非常に便利です。是非、充実したインターネットサービスを提供する銀行を選びたいです。
  • 自分のメインバンクと同一銀行にするか
    会社を起こした時は、当然ですがまだ信用がありません。その意味では、それまで給与振り込みをしていた等で、少しでも過去の実績が評価される銀行、支店を選ぶというのが一つの要素だとも言えます。また個人口座と会社の口座が同一支店にあると何かと便利という点もあります。

お客様が企業で、全国に渡るのであれば大手の都市銀行が良いでしょう。当分は地元でのビジネスということであれば、色々と情報も持っていて、融資などにも対応してもらえそうな地元の地方銀行や信用金庫、信用組合のほうが良いでしょう。特に融資を必要とせず、振込等が何回も発生するような会社(例えば、ネットショップなど)であれば、金利・振込手数料・ATMの利用手数料が割安なネット銀行を利用するのが良いと言えます。