公正証書/公証役場

問合せ

公証人の業務

公証人の仕事は、大別して、以下の3種類あります。
(1) 公正証書の作成
(2) 私署証書や会社等の定款に対する認証の付与
(3) 私署証書に対する確定日付の付与

(1) の「公正証書」には、以下があります。
「遺言」「離婚」「任意後見契約」「金銭消費貸借契約」「土地建物賃貸借契約」「事実実験公正証書」

(2)の「認証」というのは、私人が作成した文書について、文書の成立及び作成手続の正当性を証明するもので、以下があります。
「定款認証」「私署認証」「宣誓認証」「外国文認証」

(3)の「確定日付の付与」というのは、私文書に確定日付を付与し、その日にその文書が存在したことを証明するものです。

公正証書の作成

公証人法等に基づき、公証人が私法上の契約や遺言などの権利義務に関する事実について作成した証書を「公正証書」といいます。
金銭消費貸借契約など金銭の一定額の支払いについての公正証書の場合、債務者がただちに強制執行に服する旨の陳述(執行認諾文言)が記載されていれば債務名義となり、訴訟・調停等の裁判手続を経由することなく強制執行の申し立てが可能となります(執行証書)。
また、高度の法律専門職公務員である公証人が当事者の意思を慎重に録取し、適法な内容の公正証書を作成することが求められていることから、記載された内容の信憑性(実質的証拠力)についても、事実上相当高く認められています。

遺言公正証書

離婚給付等契約公正証書

任意後見契約公正証書

金銭消費貸借契約公正証書

土地・建物賃貸借契約公正証書

事実実験(証明)に関する公正証書

公証人は、法律行為を対象とした売買等の契約のほか、五感の作用により直接見聞した事実を記載した「事実実験公正証書」を作成することができます。事実実験は、裁判所の検証に似たもので、その結果を記載した「事実実験公正証書」は、裁判所が作成する「検証調書」に似たもので、証拠を保全する機能を有し、権利に関係のある多種多様な事実を対象とします。

例えば、以下のようなものなど様々なものがありますが、事実実験をどのように実施し、どのような内容の公正証書を作成するかは、当該対象物により異なりますので、具体的には嘱託する公証人と事前に十分打合せをすることが必要です。

  • 特許権者の嘱託により、特許権の侵害されている状況を保全するため、その状況を記録するもの
  • 相続人から、相続財産把握のため被相続人名義の銀行の貸金庫の中身を点検・確認してほしいとの嘱託を受け、貸金庫を開披し、その内容物を点検するもの
  • キャンペーンセールの抽選が適正に行われたことを担保するため、抽選の実施状況を見聞するもの
  • 土地の境界争いに関する現場の状況の確認・保存に関するもの
  • 株主総会の議事進行状況に関するもの

私権の得喪・変更に直接・間接に影響がある事実であれば、債務不履行、不法行為、法律でいう善意・悪意などであろうと、物の形状、構造、数量ないし占有の状態、身体・財産に加えた損害の形態、程度などであっても構いません。

事実実験公正証書を作成しておけば、公正証書の原本は、公証役場に保存されるとともに、公務員である公証人によって作成された公文書として、裁判上真正に作成された文書と推定され、高度の証明力を有するので、証拠保全の効果が十分期待できます。

尊厳死宣言

事実実験の一種として、「尊厳死宣言公正証書」を作成することができます。

認証

署名、署名押印又は記名押印の真正を、公証人が証明することです。
その文書が真正に成立したこと、すなわち文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたことが推定されます。
法律効果に全く影響のない文書は対象外ですが、法律効果に直接間接に影響のある事実が記載されていれば認証の対象になります。また、写真などを説明の補助手段とすることはかまいません。
次の3つの方法があります。

  • 当事者が公証人の面前で証書に署名又は押印をする(目撃認証、面前認証)。
  • 当事者が公証人の面前で証書の署名又は押印を自認する(自認認証)。
  • 代理人が公証人の面前で証書の署名又は押印が本人のものであることを自認する(代理自認、代理認証)。

謄本の認証も可能です。
嘱託人が提出した私署証書の謄本が、その原本と対照して符合する場合、公証人がその謄本が原本に符合する旨を認証します。上記の署名(文書)の成立の真正を認証する署名認証と、この謄本認証とは性質を異にします。

契約書などの私署証書の認証に係る公証役場の手数料は、1万1000円です。
内容を公正証書にした場合の手数料の半額が1万1000円を下回るときは、その下回る額です。身元・財政保証書のように、金額の記載がないため算定不能となる書面の場合は、5500円が手数料になります。

定款認証

株式会社等を設立する際は、設立しようと考えた人(発起人)が、会社をどのようなものにするか、またその会社運営ルール等を定款という書面にして、公証人にその正当性を確認してもらう必要があります。それを定款の認証といいます。

その定款の認証を電磁的に行うことを電子定款といいます。

私署認証

私署証書の認証とは、署名、署名押印又は記名押印の真正を、公証人が証明することで、結果として、その文書が真正に成立したこと、すなわち文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたことが推定されることになります。

宣誓認証

公証人が私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)に認証を与える場合において、当事者がその面前で証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名若しくは押印し、又は証書の署名若しくは押印を自認したときは、その旨を記載して認証する制度です。宣誓認証を受けた文書を宣誓供述書といいます。

宣誓認証の特徴と進め方

  • 公証人が、私文書について、作成の真正を認証するとともに、制裁の裏付けのある宣誓によって、その記載内容が真実、正確であることを作成者が表明した事実をも公証するものです。
  • 宣誓は、証書の記載が真実であることを誓うものですから、認証を与える私署証書は、過去の事実を記載した内容のものが一般的です。しかし、契約書など証書の作成者の意思表示を記載した私署証書も含まれます。
  • 宣誓認証は、一般の私署証書と違い、宣誓認証は、公証人の面前で宣誓することが要件となっているため、代理人による嘱託は認められません。
  • 宣誓認証の嘱託をするには、同一内容の証書を2通提出します。手続終了後、認証した証書の1通を嘱託人に渡し、1通を役場で保存します。
  • 公証人は、宣誓の趣旨を説明し、証書の記載が虚偽であることを知って宣誓したときは、過料の制裁のあることを告げます。次に、嘱託人は、公証人の面前で起立して厳粛に、「良心に従って証書の記載が真実であることを誓う」旨宣誓します。

公証人の面前で記載内容が真実であることを宣誓した上で文書に署名・捺印し又は署名・捺印を自認したことを認証する宣誓認証の公証役場の手数料は1万1000円です。

外国文認証

確定日付の付与

確定日付とは

確定日付とは、変更のできない確定した日付のことで、その日にその証書(文書)が存在していたことを証明するものです。
公証役場で付与される確定日付とは、公証人が私書証書に日付のある印章(確定日付印)を押捺した場合のその日付をいいます。

効力

確定日付の付与は、文書に公証人の確定日付印を押捺することにより、その文書の押捺の日付を確定し、その文書がその確定日付を押捺した日に存在することを証明するものです。
文書の成立や内容の真実性についてはなんら公証するものではありません。

文書の要件

文字その他の記号により、意見、観念または思想的意味を表示している私文書です。
文書のコピー自体には、確定日付を付与することはできません。
違法な文書、無効な法律行為を記載した文書には、確定日付を付与することはできません。
形式上未完成な文書には、確定日付を付与することはできません。
文書には、作成者の署名又は記名押印が必要です。

手続き

確定日付の年月日は請求当日の年月日となります。
代理人又は使者によってすることもできます。

手数料

一件について700円です。

法律で公正証書の作成が求められている契約

前記のように様々な契約を公正証書にすることができますが、以下の契約は、公正証書にすること自体が効力発生要件になります。

事業用定期借地権契約

専ら事業の用に供する建物を所有する目的で設定される借地権で、契約の更新がなく、契約上の存続期間が経過すれば確定的に終了するものです。この契約は、公正証書によってすることが要件とされています。

任意後見契約

任意後見制度は、本人が後見事務の全部又は一部について任意後見人に代理権を付与する任意後見契約を事前に締結することにより、家庭裁判所が選任する任意後見監督人の監督の下で任意後見人による保護を受けることができるという制度です。任意後見契約は、公証人の作成する公正証書によることが必要です。

尊厳死宣言

「尊厳死」とは、一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいう。」と言われています。

公正証書から強制執行する方法

公正証書を作成してから、債務者の支払が滞った場合、地方裁判所に強制執行を申し立てることになります。
公証役場において、強制執行認諾条項が含まれている公正証書を作成した場合でも、すぐに強制執行に移れるわけではなく、以下の3つのステップが必要です。

公正証書の作成

(債務者の支払が停止)

①送達(約1週間~1ヶ月)

②執行文付与

③地方裁判所へ強制執行の申立て

つまり、公正証書により強制執行を開始するためには、以下の2つの要件が必要になります。

  • ①公正証書の謄本を予め強制執行を受けるべき債務者に送達し、その送達証明書により執行機関に証明できること
  • ②公正証書の正本に執行文の付与をうけること

①送達

強制執行を開始するための第一段階で、公正証書が債務者である相手に確かに届いているという証明です。
送達には以下の2種類ありますが、通常の送達は、前者の特別送達です。

特別送達

支払いが滞ってから、公正証書を作成した公証役場に対し、公正証書送達の申し出をします。
申し出を受けた公証人は、郵送で公正証書の謄本を郵送し、1週間から1ヶ月後に、送達証明書を交付します。
費用が5千円程度かかります。

交付送達

公正証書作成のときに債務者本人が役場に出頭したときに限り、公証人が債権者の面前で債務者に謄本を手渡しすることで、送達手続を終えたものとみなすことができる制度です。公正証書作成時に、この手続きをしておけば、債権者からの金銭債務の支払いが滞ったときには、速やかに強制執行の手続に入ることができます。
費用が1,650円かかります。

②執行文の付与

債務者が公正証書に記載されたとおり金銭の支払いをしない場合、公正証書の正本を所持する債権者が、原本を保存している公証役場に出向き、公正証書の正本に執行文の付与を請求します。費用が1,700円かかります。

③地方裁判所へ強制執行の申立て

債権者が、執行文の付いた公正証書正本と送達証明書、その他必要書類を揃えて地方裁判所へ強制執行の申立てをします。
差押えするものが債務者の給与等債権の場合は、債務者の住所地を管轄する地方裁判所、債務者の所有する不動産や動産の場合は、その所在地を管轄する地方裁判所になります。

強制執行をしやすくするためには、公正証書作成時に交付送達又は特別送達の手続きを行っておく方が良いと言えます。

公証役場の手数料

公証役場の法律行為に関する証書作成の基本手数料は、以下のとおりです。

  • 契約や法律行為に係る証書作成の手数料は、原則として、その目的価額により定められています(手数料令9条)。
  • 目的価額というのは、その行為によって得られる一方の利益、相手からみれば、その行為により負担する不利益ないし義務を金銭で評価したものです。目的価額は、公証人が証書の作成に着手した時を基準として算定します。
  • 法律行為に係る証書作成の手数料
    目的の価額 手数料
    100万円以下 5000円
    100万円を超え200万円以下 7000円
    200万円を超え500万円以下 11000円
    500万円を超え1000万円以下 17000円
    1000万円を超え3000万円以下 23000円
    3000万円を超え5000万円以下 29000円
    5000万円を超え1億円以下 43000円
    1億円を超え3億円以下 4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算
    3億円を超え10億円以下 9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算
    10億円を超える場合 24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算
  • 贈与契約のように、当事者の一方だけが義務を負う場合は、その価額が目的価額になりますが、交換契約のように、双方が義務を負う場合は、双方が負担する価額の合計額が目的価額となります。
  • 数個の法律行為が1通の証書に記載されている場合には、それぞれの法律行為ごとに、別々に手数料を計算し、その合計額がその証書の手数料になります。法律行為に主従の関係があるとき、例えば、金銭の貸借契約とその保証契約が同一証書に記載されるときは、従たる法律行為である保証契約は、計算の対象には含まれません(手数料令23条)。
  • 任意後見契約のように、目的価額を算定することができないときは、例外的な場合を除いて、500万円とみなされます(手数料令16条)。
  • 証書の枚数による手数料の加算
    法律行為に係る証書の作成についての手数料については、証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます(手数料令25条)。

参考情報

町田・高橋行政書士事務所の公正証書等作成サポート

サポート内容

  • 公証役場が対応する文書は多岐に渡りますが、基本的に、文書(公正証書)の内容案の検討・作成から、公証役場・公証人との調整、最終的な公正証書作成までの全面的なサポートを行います。
  • 文書の性格にもよりますが、当事者が公証役場に行くことができない場合、当事務所が代理人になることも可能です。
  • ただし、二者契約等の双方代理はできませんので、その場合には、一方は他の行政書士等に依頼することになります。
  • 打合せは、土日、夜間でも可能ですので、代理人も含めた業務をご依頼されますと、ご依頼人の手間が非常に省けることになります。

費用

文書が様々ですので、個別に見積りいたします。

期間

内容にもよりますが、概ね1週間程度で作成可能です。

対応エリア

  • 町田市などの東京都
  • 相模原市、座間市、厚木市、大和市、綾瀬市、海老名市などの神奈川県
  • 全国対応、海外対応いたします。

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