法務局に預ける制度ができましたので、 自筆証書遺言 の使い勝手が良くなりました。
※リモート対応(メール、(TV)電話、FAX、郵送など)をいたします。
・自筆証書遺言の原則的な要件は、本文自筆、明確な日付の記載、押印の3つです。
・自筆証書遺言を相続手続きで使用する場合は、原則的に家庭裁判所での検認のステップが必要です。
・検認には、遺言者の出生から死亡までの戸籍、(代襲)相続人全員の戸籍取得等、相当な手間がかかります。
・令和2年7月10日から自筆証書遺言を法務局に預けられます。それにより検認が不要になります。
・極力、直接面談を行わないようにしますので、新型コロナウイルス対策上も有効です。
・上記の結果として、遠方、全国、海外対応も可能です。
目次
遺言関連のページ
自筆証書遺言の方式緩和
- 自筆証書遺言は、従来全文自筆でしたが、財産目録の部分に限り、パソコン出力など、自筆で書かなくてもよくなりました。
- 表計算ソフトを使うなどして作れば、財産構成が変わったときに上書きして印刷すれば済むようになりました。
- また、登記事項証明書や預金通帳のコピーを使用することも可能です。
- ただし、それらについては、その各ページに署名、押印することになっています。
- 2019年1月13日から施行されました。
自筆証書遺言の保管制度
平成30年7月6日,法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)が成立しました(同年7月13日公布)。
施行期日は,令和2年7月10日(金)から施行されました。
法務局における遺言書の保管等に関する法律(以下「遺言書保管法」といいます。)は,高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み,相続をめぐる紛争を防止するという観点から,法務局において自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度を新たに設けるものです。
今後、本人が法務局に行けない場合を除いて、自筆証書遺言は法務局に預けるのが必須と考えるべきです。
自筆証書遺言(保管制度を利用) の具体的な内容
特徴、メリット
- 遺言が法定の書式通りかを法務局がチェックするため、書き間違いによる無効を防げます。
- 同制度を使えば遺言の開封に裁判官が立ち会う「検認」が不要になります。
- 遺言者が死亡したとき、遺言書がある旨の通知を相続人にいくようにできます。
留意点
- 必ず遺言者本人が、法務局に出向く必要があります。
- 遺言者の遺言能力は確認しません。
- 遺言書の内容が法律的に有効かどうかの確認はしません。
- 遺言の内容が単純な場合に向いていると言えます。
- 遺言の執行をするには、遺言書情報証明書の交付請求が必要で、そのためには被相続人の出生から死亡まで戸籍謄本、相続人の戸籍謄本と住民票が必要になります。
- 遺言書情報証明書の交付請求をしたときは、他の相続人にも通知がされます。
その他
- 遺言書の保管の申請は、1件につき3,900円です。
- 保管をする法務局は、原則として、各地方法務局の本局と支局で、例外を除いて出張所では保管をしません。
- 東京法務局管内:本局、板橋出張所、八王子支局、府中支局、西多摩支局
- 横浜地方法務局管内:本局、川崎支局、横須賀支局、湘南支局、西湘二宮支局、相模原支局、厚木支局
- 受け付け開始日の令和2年7月10日よりも前に書いていた遺言も受け付けてもらえます。
自筆証書遺言と公正証書遺言との比較
自筆証書遺言 (保管制度を利用)
- 手順
- 自筆証書遺言を書きます。
- 財産目録以外、全文手書です。
- 住所を管轄する法務局に予約した後、自ら持ち込み、保管してもらいます。
- 費用
- 保管してもらう費用は、3,900円です。
- 備考
- 検認不要なのが最大のメリットです。
- 制度の趣旨が、”保管”なので、法務局が、持ち込まれた遺言の様式、内容には関知しません。
- Q&Aの1番上に、「遺言書の作成に関するご相談には一切応じられません。」とあります。
- 遺言を預金解約、相続登記で利用する際に、内容面から受け付けられない可能性があり得ます。
公正証書遺言
- 手順
- 遺言案を作成します。
- 手書きは不要です。
- 公証人に遺言内容の最終確認をしてもらいます。
- 公証役場に予約した後、自ら出向いて、遺言書に署名、実印捺印します。
- 印鑑登録証明書、財産証明書類等を提出する必要があります。
- 署名、捺印時には証人が2名必要です。
- 費用
- 財産額、財産受取人数などに応じた公証人の手数料が必要です。
- 一般的に、5~10万円くらいが多いです。
- 備考
- 検認不要です。
- 公証人が内容の保証をしていますので、無効になることがまずあり得ません。
法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言、公証証書遺言のどちらにもサポートいたします。
遠方の方に対しても、メール、電話、郵便により、サポートしています。
自筆証書遺言の書き方
遺言の全文、作成日付、遺言者の氏名の全てを遺言者が自筆し、押印します。
- 遺言全文を自筆します。パソコン出力は認められません。
→財産目録はパソコン出力可に方式緩和されました。 - 作成日付も令和2年10月10日のように自筆してください。西暦でも構いません。
- 氏名も自筆で署名してください。
- 印は認印、拇印も有効ですが、実印を押印する方が確実です。
- 用紙、筆記具の制限はありません。丈夫な紙にボールペン、筆などで書いてください。
- 縦書き、横書きいずれでも構いません。
封筒に入れ封をし、相続人等に開封されないようにします。
- 封筒に入れ封をして、押印に用いた実印で封印をします。
- 封筒の表の中央に遺言書と大きく書きます。
- 封筒の裏の右側に「開封せず家庭裁判所に提出すること」、左側に日付と遺言者○○○○と手書きします。
自筆証書遺言のメリット
- 気軽です。
自筆証書遺言のメリットは何と言っても気軽さです。いつでも変更、破棄、再作成ができます。毎年、お正月に遺言を書き直すという人もいます。 - 内容を秘密にできます。
誰にも知られずに作成することができます。行政書士等や公証人にも知られたくない内容を書くときには良い方法です。公証役場で行う秘密証書遺言も内容を誰にも知られることがありません。 - 基本的に費用がかかりません。
全て自分で書くのであれば費用がかかりません。行政書士のような専門家に依頼して作成してもらっても3~5万円程度で済みます。公証人に支払う4~8万円程度の費用が不要です。
自筆証書遺言のデメリット
- 無効になる可能性があります。
- 無効になる自筆証書遺言は少なくありません。
- 上述の「自筆証書遺言の書き方」に則して書けば基本的には良いのですが、大切なものだけに万全を期したいところです。
- 行政書士等の専門家に依頼する、一度公正証書遺言を作成し、次からはそれを真似る、などの方法があります。
- 発見されない可能性があります。
- 大切なものなので、箪笥の奥深くにしまっておくケースなどがあり、逆に発見されないことがあります。
- 家族に場所を教えておくなどすれば良いのですが、逆に見られてしまう可能性が出てしまいます。
- 公正証書遺言、秘密証書遺言であれば、公証役場で相続発生まで安全確実に保管されますので安心です。
- しかも相続人であれば、公証役場に聞けば遺言があるかないかいつでも教えてもらえますので発見されないこともありません。
- もちろん全国の公証役場はオンラインネットワークで接続され情報共有が図られています。
- 握りつぶされる可能性があります。
- 自筆証書遺言の場合は、相続人が開封し、その内容が相続人に不利な場合、握りつぶされる可能性があります。
- 公正証書遺言、秘密証書遺言であればその心配がなく安心です。
- 検認の手続きに時間と手間が必要です。
- 自筆証書遺言は家庭裁判所に持参し、検認手続きを経て初めて有効になります。
- 相続人が被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得して家庭裁判所に行かないといけないですし、申し立てから実際の検認まで2~3ヶ月程度かかります。
- その点、公正証書遺言は相続が発生した時点で効力が発生するので安心です。
自筆証書遺言を発見したとき
自筆証書遺言を発見したときは、開封せずそのまま家庭裁判所に提出し、検認手続きを行います。自筆証書遺言を開封しますと、過料に処せられますので注意が必要です。家庭裁判所で、その遺言が真正なものか判断し、真正のものとされたときに遺言書としての効力が発生します。検認が済むと、基本的には公正証書遺言と同等の効力を持ちます。
自筆証書遺言の検認手続き
自筆証書遺言の例(サンプル、ひな形)
遺 言 書
遺言者である私、☆☆☆☆は次のとおり遺言する。
1. 長男○○○○に次の財産を相続させる。
(1) 預貯金等の金融資産
① ○○○○銀行○○支店、普通預金○○○○○○○
② ○○○○銀行○○支店、普通預金○○○○○○○
③ ○○○○銀行○○支店、普通預金○○○○○○○
(2) 不動産
① ○○○○
土地 所 在 □□□□□□□□□□□
地 番 □□□□□□
地 目 □□
地 積 □□□□□□□□□□□
建物 所 在 □□□□□□
家屋番号 □□□□
種 類 □□
構 造 □□□□□□□□□□□
床面積 1階 □□.□□平方メートル
2階 □□.□□平方メートル
2. 次男△△△△に次の財産を相続させる。
(1) 預貯金等の金融資産
① △△△△銀行△△支店、普通預金△△△△△△△
② △△△△銀行△△支店、普通預金△△△△△△△
(2) 不動産
① ◇◇◇◇◇
一棟の建物の表示
所 在 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
建物の名称 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
専有部分の建物の表示
地 番 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
建物の名称 ◇◇◇◇◇
種 類 ◇◇◇
構 造 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
床面積 ◇階部分 ◇◇.◇◇平方メートル
土地 所 在 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
地 番 ◇◇◇◇◇
地 目 ◇◇
地 積 ◇◇◇.◇◇平方メートル
4 上記以外の財産は、すべて長男○○○○に相続させる。
5 遺言執行者として下記の者を指定する。
◎◎県◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
◎◎ ◎◎
平成××年××月××日
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
遺言者 ☆☆ ☆☆ ㊞
当事務所の自筆証書遺言書作成サービス
当事務所は、平成30年に決定した新しい遺言書作成方式に対応しています。
当事務所では、相続税、不動産登記まで含んだ総合的な観点から遺言作成のお手伝いをします。遺言執行者に関しても、遺言者の年齢その他を考慮して、複数の最適な遺言執行者を立てるようお勧めします。
費用
- 自筆証書遺言作成指導 3万円~
内容によります。
遺言作成指導報酬は、遺言文書の量、ボリュームにより異なります。
事前に、個別見積りをします。
当事務所の報酬には別途消費税が必要です。
当事務所の報酬は前払いになります。
サポート内容
遺言者の思い、ニーズ、状況をお聞きして最善の遺言を一緒に検討し、作成します。
- 必要に応じて、遺言作成の前提となる推定相続人の調査、相続財産調査等をします。
- 法律的な制約を考慮しながら遺言内容を完成させます。
- 進め方
- 当事務所が、自筆証書遺言をパソコンに入力し、印刷します。
- プリントアウトどおりに手書きしていただきます。
- 日付記入、署名、実印捺印します。
- 法務局に預けます。
- 又は封をして自宅等で保管します。
期間
遺言の作成は、内容が決まっていれば、1週間以内で作成可能です。
対応エリア
- 町田市、多摩市、稲城市、狛江市、世田谷区、新宿区、渋谷区などの東京都
- 相模原市、座間市、厚木市、大和市、綾瀬市、海老名市、横浜市、川崎市などの神奈川県
- 内容、状況によっては全国対応、海外対応もします。
問合せ
- 090-7175-6752 042-860-6498
- takahashi_gyosei@nifty.com
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