奨学金の対象者を拡大

文部科学省が2024年度から、日本学生支援機構が大学生らに給付や貸与している奨学金の対象となる外国人を拡大する。

  • 従来
    • 在留資格「特別永住者」「永住者」のほか、「定住者」で将来永住する意思がある人らに限られていた。
  • 今後
    • 日本で働く外国人労働者が扶養する配偶者と子の在留資格「家族滞在」を取得している学生にも拡大。
    • 日本で小学校から高校までを卒業し、大卒後も日本で働き、定着する意思を持っていることが要件となる。

永住権緩和で人材誘致

日経新聞の4月18日付朝刊に、
「永住権緩和で人材誘致、在留3年未満の経営者や研究者 成長を後押し」
という記事がありました。
以下のような要旨です。

  • 「高度専門職」の高度人材の永住許可要件は在留5年でしたが、それを3年未満にする。
  • 「高度専門職」は、2015年4月にできた資格で、15年末時点で1508人が取得、中国籍の外国人が64%と最も多い。
  • 現在は、「高度専門職1号」で3年滞在すれば、「高度専門職2号」になることができ、在留期限がなくなる。
  • 今回の検討では、「高度専門職1号」を3年未満で永住許可になる。
  • 永住者になれば、職業を自由に選べ、住宅ローンも組めるようになり、日本での生活がしやすくなる。
  • 永住者になるのは、英国では原則5年だが一部起業家は3年の滞在で申請を認めている。韓国は先端技術分野の博士なら最短1年で永住権を申請できるという。
  • 日本で多額の資産を運用する投資家や起業家も、「高度専門職」扱いの検討対象になる可能性がある。
  • 在留期間の要件を緩めるほか、入国管理局の窓口への訪問を義務付けた永住権の申請手続きも見直す。郵送やオンラインなどの方法も検討する。

外国人の在留要件を少しずつ緩めていますが、まだまだ限定的です。来てほしい外国人と来てほしくない外国人がいるのは事実で、どこからどのように緩めていくかは非常に難しい問題です。

(2016年4月18日 日経新聞)

留学生の数

日経新聞の4月1日付に以下の情報がありました。

2015年5月時点の外国人留学生数

  • 全体   15万2062人、前年比9.3%増加
  • 出身国・地域別
    • 中国   7万4921人
    • ベトナム 2万131人
    • 韓国   1万3397人

海外の大学などに留学した日本人

  • 2013年 5万5350人(集計方法を変更)
  • 2012年 6万 138人
  • 2011年 5万7501人
  • 2004年 8万2945人
  • 2013年の内訳
    • 米国 1万9334人
    • 中国 1万7226人
    • 台湾   5798人

(2016年 4月 1日 日経新聞)

法務省、「プロゲーマー」にビザ発行の方針

外国人のスポーツ選手らが日本で活躍するには興行ビザが発給されていますが、それを賞金付きオンラインゲームのイベントに出場して生計を立てるプレーヤーにも広げる方針を固めた。

オンラインゲームの対戦を観戦して楽しむ「eスポーツ」の人気が高まるなか、実力のある外国人選手の招請ができれば、今後のイベント開催に弾みがつきそう。母国での活動実績などを審査する。

(2016年3月30日 日経新聞)

外国人留学生、日本での就職3割

  • 日本の大学で学んだ外国人留学生のうち、学部卒の学生の7割が日本での就職を希望しながらも、実際には3割しか就職していない。
  • 博士課程修了の学生も国内での就職率は2割を下回った。
  • 合計で年間1万人の留学生が卒業後に日本以外の国で就職している。
  • 企業風土や就職活動が不透明だったり、永住権を取得しにくかったりすることが日本での就職を見送る背景にあるとみられる。

(2016年3月20日 日経新聞)

ベトナムとインドに最長10年ビザ ビジネス目的や知識人

  • 外務省は2日、ベトナムとインドに対し、日本に何度も入国できるようになる数次査証(ビザ)の発給要件を緩和すると発表した。
  • ビジネス目的や、大学教授など文化・知識人が入国する場合、有効期間を現行の5年から10年とする。
  • 日本が最長10年の数次ビザを発行するのは両国が初めて。
  • 文化・知識人の範囲についても、医者や弁護士など国家資格を持つ者にまで広げる。
  • 数次ビザは2回目以降の入国では観光目的でも使える。

(2016年2月2日 日経新聞)

入管の取次申請予約制を利用しました。

品川入管はいつ行っても混雑しています。3時間待ちを覚悟する必要があります。そこで、今回は申請取次の届出済証明書を所持する弁護士・行政書士のみを対象にした予約制を利用してみました。

  • 全ての案件ではありませんが、ほとんどの申請に対応しています。
  • 実施は、平日の火曜と木曜の16時までです。
  • 取次申請予約申出書に希望の日時を記入し、前開庁日の12時までにFAXで送ります。
  • 前開庁日の16時までにFAXで回答が着きます。
  • 受付は総合受理カウンターの左から2番目に目立たないように置かれています。

待ち時間が10~20分程度と劇的に減りました。いつも申請で待たされうんざりしていたので、この予約制を利用しない手はないと思いました。週2回ですが、緊急でなければ何とか対応できるのではないでしょうか。
予約受付は目立たないように置かれています。おそらく初めてだと聞かないと分からないと思います。

(2015年 2月24日)

投資・経営への在留資格変更終了

昨日、留学から投資・経営への在留資格変更許可が下り、無事ご本人に新しい在留カードを渡せました。

申請から丁度4ヶ月かかりました。在留期間満了日後2ヶ月に後1週間というぎりぎりのところでした。入管の方で、期限ぎりぎりまで延ばしたのではないかと思いたくなってしまいます。今回は夕方遅い時間に行きました。一般に、朝一番が待つ時間が少ないと言われていますが、夕方も比較的良いかもしれません。日中は最悪で、2~3時間待ちます。

(2014年 5月29日)

相続金融財産の調査

相続の手続きを行う際に、まず相続財産の確定を行う必要があります。相続財産が明確な場合は問題ありませんが、明確ではない場合があります。特に、一家の主人などで、亡くなった方が1人で全財産を管理していた場合などであり得ます。場合によっては、残された家族全員が、「おかしい、もっと預貯金があるはずなのだが...」ということがあります。その場合の調査の方法は意外と面倒です。

今回は、相続金融財産の調査の仕方です。

金融機関別の調査方法
生命保険

財団法人生命保険協会によれば、保険会社がどこか分からない場合の調査方法として、以下の3つの方法があります。

  • 保険料が口座振替になっているケースが多いので、銀行口座の取引履歴を調べる。
  • 保険会社から、「保険証券」、「ご契約内容のお知らせ」、「生命保険料控除証明書」等何らかの通知が着いているはずなのでそれを調べる。
  • 弁護士会経由で当生命保険協会に照会請求(23条照会)をする。

銀行

全国銀行協会によれば、銀行口座がどこにあるか分からない場合は、近隣の心当たりのある銀行に、それぞれ個別に照会をかける方法しかありません。弁護士に依頼しても同様の方法になるとのことです。

証券会社

日本証券業協会によれば、この種の問合せ自体を受け付けていないようです。銀行よりも横のつながりが更に弱いので、銀行同様、個別に照会をかける以外に方法はありません。弁護士に依頼しても同様です。

一括照会に関して

結局、一括して照会できるのは、23条照会と呼ぶ弁護士会経由の生命保険の照会しかありません。それも共済、農協などは同協会に加盟していないので対象外です。23条照会は、まず弁護士に依頼し、弁護士から弁護士会に、そして生命保険協会へと照会が流れます。弁護士会の審査で照会を拒絶される場合もあり、弁護士としては、あまりやりたくない仕事とされているようです。23条照会は「受任している事件に必要」な照会ができる制度なので、基本的には「相続手続き」を弁護士に委任していることが前提のようです。

一具体的なアプローチ

手がかりになる証書、証券、郵送物等が見つからない場合は、年金の振込口座の取引履歴を過去数年間ほど請求するのが一番良い方法です。その記録により何らかの手がかりが得られる可能性があります。それによって得られた情報により、個別の生命保険会社、銀行、証券会社に照会をかけることになります。以上の調査でひとまずの結論を出し、相続処理を終了させるのが現実的といえます。

相続税の申告期限は亡くなった日から10か月です。万が一、申告期限後に、何らかの相続財産が判明した場合は、その時点で申告、あるいは修正申告することになります。その場合、既に申告納税している場合には、追加の相続税と延滞税を納付します。その時点で相続税の基礎控除を超したため申告する場合には、相続税と延滞税、更に無申告加算税を支払うことになります。延滞税は14.6%(現在、当初2ヶ月間は4.3%)、無申告加算税は5%です。

(2013年 9月16日)

相続財産の調査強化

相続税の課税強化が予定されています。それを見据え、税務署は既に相続財産の調査を強化し始めています。

  • 2010年の死亡者数は約120万人で相続税の納税申告件数は約5万件、その30%が実地調査を受け、そのうち申告漏れで税金を追徴されたのは約80%。
  • 申告書提出から1~2年の間に調査があり、財産が2億円以上だと調査される可能性が高い。
  • 被相続人の財産が相続人名義の預貯金に紛れ込む「名義預金」の調査が一段と厳しくなっている。相続人名義でも実質的に被相続人の管理下にあったと税務署が判断すれば相続財産に認定される。
  • 金は2012年から1回200万円を超える買い取りについて、取扱業者が税務署への支払調書の提出を義務付けられた。
  • 有料老人ホームを利用していた被相続人が短期間で死亡し退去した場合、入居一時金は返還され、通常は被相続人の財産として扱う。しかし、申告しないケースが多く、税務署が確認を強化している。
  • 2000万円以上の所得のある人に提出義務のある「財産及び債務の明細書」の提出を税務署から強く求められることが増えてきた。

税務署が重点チェックする項目

  • 被相続人の生前の所得・資産に見合う財産額を申告しているか?
  • 相続人(家族)名義の預貯金に被相続人の財産が紛れ込んでいないか?
  • 相続人名義の同族会社株は実質的に被相続人の財産ではないか?
  • 被相続人の生前贈与は適正か?
  • 国外にある預貯金などの相続財産をきちんと申告しているか?
  • 有料老人ホームの入居一時金の返還分を申告しているか?
  • 債務・葬式費用などを過大に差し引いていないか?
  • 「法規模宅地の評価減」が受けられないのに申請していないか?
  • 被相続人の死亡直前に多額の預貯金を引き出し、財産を減らしていないか?
  • 相続人は納税資金をどのように調達したか?

相続税の税務調査に対応する方法

  • 被相続人、相続人の預貯金通帳を3~5年分用意
  • 申告していない財産はないか、もう一度精査
  • 国外財産は十分な説明資料を準備
  • 被相続人の預貯金口座などからの出金について、合理的な説明資料を準備
  • 被相続人からの贈与を主張するなら、証拠(贈与税申告書、契約書)を用意

2012年12月15日 日経新聞より