協会けんぽの傷病手当金

2011年10月に傷病手当金を受給した人の理由は、多い順に、精神疾患が26%、がんが19%、循環器疾患が11%。

精神疾患は、1995年が4%、2007年が20%、2011年が26%と急増。
がんも1995年14%から2011年の19%へと増加。
循環器系と消化器系の疾患は減少傾向。

2012年10月17日(水)

高齢化率

65歳以上の高齢者の割合が7%を超えると高齢化社会
65歳以上の高齢者の割合が14%を超えると高齢社会
65歳以上の高齢者の割合が21%を超えると超高齢社会

2012年10月10日(水)

会社設立と消費税

会社を設立する時には消費税が気になります。

以下、会社設立時の消費税に関する基本的なルールです。

1)設立初年度と2年目
基準は資本金の額のみ
資本金が1,000万円以上の場合、消費税の納税義務があります。
資本金が1,000万円未満の場合、消費税の納税はしなくても構いません。(『新設法人』の特例)

2)設立3年目以降
基準は課税売上高と資本金の額
資本金が1,000万円以上の場合、消費税の納税義務があります。
基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1,000万円超の場合、消費税の納付義務があります。
資本金が1,000万円未満で、かつ基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の場合、消費税の納付義務はありません。

多くの場合、初年度は消費税の納税はしないことになります。
しかし、経費等には消費税がかかっていますし、途中から消費税をかけるのが難しいケースもあります。
消費税は、最初の年からきちんとプラスして請求する方が良いと考えます。

(2011年8月19日)

財産の生前贈与

自らの意思で財産を分与したいのであれば、生前に贈与するのが一番確実です。
相続税対策にもなります。
贈与には暦年課税と相続時精算課税の2つの課税方式があります。いずれも受贈者が納税義務を負います。

歴年課税

従来からの課税方式で1年間に贈与された財産の価額をもとに、10%から50%の税率で課税されます。ただし、歴年課税には110万円の基礎控除がありますので、贈与財産が110万円以下であれば贈与税はかかりません。また申告も不要です。贈与方法には注意が必要ですが、子ども3人に10年間毎年贈与すると、3,300万円まで無税で生前贈与できます。ただし、相続開始前3年以内の贈与に限り、相続税の対象になります。

相続時精算課税

財産の早期移転を促すために設けられ、贈与税と相続税が一体化した制度です。贈与時に特別控除額の2,500万円を超える金額に対し一律20%の贈与税が課税されます。相続時には贈与された金額を含めて相続税の計算をして、納付済みの贈与税と相殺します。つまり、贈与時に相続税を仮払いし、実際の相続時に精算することになります。65歳以上の親から20歳以上の子(代襲相続含む)への贈与に限られます。

暦年課税の適用を受けるか相続時精算課税を選択するかは、それぞれの子が父母ごとに選択することになります。また、一度相続時精算課税を選択した場合は暦年課税に戻ることはできません。

2011年6月12日

相続人の確定

遺産分割協議の前に相続人を確定する必要があります。

そのために、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、除籍、改製原戸籍の謄本を取得することになります。

まず最初に被相続人の最後の本籍地で戸籍(除籍)謄本を取ります。そしてそこに記載された情報を元にその前の戸籍または除籍、または改製原戸籍の謄本を取ります。それを繰り返し、出生までさかのぼっていくことになります。婚姻や転籍、改製などによって新しい戸籍が編成されると既に除籍されていた構成員は省かれますので注意が必要です。

本籍地を移した回数が多いとかなり面倒になります。今回行った相続人の確定では、4か所の市区町村役場から謄本を取得しました。今回は比較的近場だったので直接行きましたが、郵送でも請求することは可能です。取得できるのは戸籍の構成員、直系親族などで、代理人の場合は委任状が必要です。

戸籍

夫婦と未婚の子どもを単位に編成されています。

除籍

・戸籍に記載されている人が死亡、婚姻などにより戸籍から抜け、名前がバツで抹消されることをいいます。
・また、全員が除籍されたり本籍地が移されたり(転籍という)すると、その戸籍は除籍と呼びます。

改製原戸籍

戸籍は何度か改製(作り替え)されており、改正前の戸籍を改製原戸籍といいます。
近年では、昭和32年の改正前の昭和改製原戸籍と平成6年のコンピュータ化前の平成改製原戸籍があります。
個人的に言うと、これは「改正前戸籍」と呼ぶ方が分かり易いと思います。

除籍謄本と改製原戸籍謄本は1通750円、戸籍謄本は1通450円です。

2011年6月10日

遺産分割方法の優先順位

遺言がある場合

現在の民法では、遺言を遺すことが予定されています。従って、遺言があれば遺言が優先され、基本的には遺言どおりに遺産が分割されることになります。但し、遺留分などの一定の制約はあります。

遺言がない場合

遺言がない場合は、相続人で協議、合意し、遺産分割協議書を作成した後、そのとおりに分割します。どのように合意しても構わないのですが、利害がぶつかる可能性が高いです。そこで民法は詳細に法定分割を規定しており、それを基準に分割することになります。

遺言はあるが、異なる分割をしたい場合

遺言が遺されてはいるものの、異なった分割をしたい場合が時にあります。遺言は尊重されるべきですが、それとは異なった分割をすることは可能です。但し、当然ですが、相続人及び遺贈を受ける者など利害関係者全員の合意が必要です。財産相続を受ける誰からも異議申立てがされないことが前提です。被相続人は異を唱えたいでしょうが、「死人に口なし」ということなのでしょう。

2011年6月11日

相続欠格と廃除

相続欠格

一定の非行を行った相続人は当然に相続権を失います。
以下の5つの場合です。

  • 被相続人の遺言を偽造、変造、破棄、隠匿した
  • 詐欺や強迫により、被相続人に遺言させたり、前にした遺言の取消しや変更をさせた
  • 詐欺や強迫により、被相続人が遺言をすることや、前にした遺言の取消し、変更を妨害した
  • 被相続人が殺されたことをしりながら告発や告訴をしなかった
  • 被相続人や先順位又は同順位の相続人を殺したり、殺そうとして刑を受けた

廃除

推定相続人に、被相続人を虐待するなどのひどい非行がある場合、被相続人の意思により相続権を奪うことができます。
以下のようなケースです。

  • 被相続人に対する虐待
    常態的に罵声を浴びせたり、殴る、けるの暴行を加えた
    寝たきりの親を看護せず、食事も与えず衰弱させた
    など
  • 被相続人に対する重大な侮辱
    日頃から人目もはばからず親を無能呼ばわりした
    私的な秘密を公表し、名誉を傷つけた
    など
  • その他の著しい非行
    定職に就かず、繰り返し親に金を無心したり財産を盗んだりした
    夫と子を棄て、愛人と同居していた
    など

生前に廃除を行う場合には、被相続人が家庭裁判所に廃除請求を申し立てる。
死後で廃除を行う場合には、遺言で廃除の意思表示をし、遺言執行者が家庭裁判所に廃除請求を申し立てる

2011年6月 8日

定款と登記の関係

定款の記載事項と登記事項の関係が少し分かりにくいです。

定款とは会社運営の基本事項、基本ルールです。会社にはある程度自治権があり、法令に違反しない範囲で、自ら運営ルールを作成することが出来ます。それが定款です。どのような事業を行うか、株式をどのくらい発行するか、取締役会を設置するか、などです。会社設立時に発起人が集まり、どのように会社を運営しようかと話し合います。そして定款を作成するわけです。ただ、行政としては勝手に法令違反の定款を作成し、勝手に法令違反の会社運営をされては困るという考えがあります。そこで、会社設立段階の定款が法令違反をしていないかどうか、公証役場という役所がチェックをする仕組みになっています。

ところで、定款に書かれていることの一部が登記事項になります。定款は30数条6~7ページになりますが、登記事項はそれ程多くはありません。会社設立申請時に法務局に「登記すべき事項」という書類を提出します。それが文字通り実際の登記事項になります。最近手がけた会社設立の書類では、具体的に以下のようになっています。
商号、本店、広告をする方法、目的、発行可能株式総数、発行済み株式の総数、
資本金の額、株式の譲渡制限に関する規定、役員に関する事項、監査役設定会社に関する事項
会社設立をするとすぐに「現在事項全部証明書」をとりますが、そこにはまさしく上記の項目が並んでいます。唯一追加されているのは、会社設立の年月日だけです。

会社設立後、会社が成長するにつれ、資本金の額が増えたり、取締役会を設けたりと会社の基本事項、基本ルールが変化します。それに伴い定款変更及び変更登記を行うことになります。定款に対する変更は基本的に株式総会の特別決議で決定し、変更します。その変更にはもはや公証役場は関与せず、会社内で責任をもって変更、管理していくことになります。定款に記載されている事項の方が登記事項より多いので、定款変更をしても変更登記をする場合としない場合があります。逆に、役員の改選のように定款変更は必要ないが変更登記が必要な事項があります。法令を順守し、決まった手続きに沿って、適切に定款を変更し、登記を変更することは会社運営の基本になります。

(2011年4月19日)

自宅不動産を複数人で相続するとき

自宅不動産を中心とした遺産を複数の相続人で相続するというのは良くある話です。相続人に公平に配分できるほど土地が広かったり、あるいは預貯金が多かったりすれば、分割しやすく、遺産分割協議もまとまり易いといえます。しかし実際には、相続財産のほとんどが自宅不動産で、そこに被相続人と相続人の誰かが一緒に住んでいたというケースはかなり多いです。このようなケースでの遺産分割はまとまりにくいことがあります。遺言を残すにしろ、遺産分割協議で分割するにしろ難しい面があります。

今回は、遺産の中心が自宅不動産というケースの相続方法に関してです。

はじめに

不動産を持っているとまず最初に気になるのは相続税です。しかし居住用不動産が遺産の中心というケースではほとんど心配はありません。相続税を払うような相続は全体の5%以下と言われています。相続税は、5,000万円に相続人1人当たり1,000万円を乗じた金額を加えた金額が基礎控除になります。例えば、配偶者と子ども二人が相続人の場合では8,000万円まで相続税がかからないことになります。建物は減価償却されていますので、現実的には土地の評価額が気になるところです。しかし被相続人が居住用に使用していた240㎡以下の土地で、相続人が継続して居住用に使用するのであれば「小規模宅地等の特例」が適用され、税額が80%減免されます。これにより、相続税のかかる人は非常に減ってきます。

相続が発生しますと、民法上では相続財産が法定相続人全員による法定相続割合に則した共有になったとみなされます。その共有状態を遺言書、あるいは遺産分割協議書などにより修正して、分割し、各相続人の固有財産として所有することになります。

分割方法には、現物分割、代償分割、換価分割の3つの方法があります。

現物分割

現物分割とは、個々の財産についてその取得者を個別に決定する分割方法です。自宅は長男へ、預貯金は長女へ、有価証券は次男へというように、個々の財産を分割しないでその現物のまま分割する方法です。この方法ですと、相続財産における自宅不動産の占める割合が大きい時に困ります。自宅を相続する人の相続割合が大きすぎることになり不公平になってしまいます。不動産を分割しても意味がある程広いのであれば、不動産自体を分割するという話もありますが、現実的には多くはありません。

代償分割

そこで、代償分割という方法が良く行われます。遺産のほとんどが自宅不動産で、相続人の一人が継続的に居住、かつ相続となると、その人が遺産の多くを相続することになります。結果として、分割割合が不公平になってしまいます。その場合には、まずその不動産を売却したと仮定して、その想定売却金額と他の預貯金等を合計して、総遺産額を算出します。そして、その金額を分割割合で配分するわけです。しかし、結果として、不動産を相続する人が多額の現金を他の相続人に渡すことが出てきます。その現金の捻出に苦労する場合があります。また想定売却金額でももめるケースがあるようです。一般的には、市街地であればいわゆる路線価を採用することになります。税務署で調べることが出来ます。

換価分割

代償分割をしたいが、不動産を相続する人が他の相続人に渡す現金を用意できないケースなどの時に採用されます。不動産を実際に売却してその代金を相続人間で配分します。ただ、実際には被相続人の住んでいた住居に継続して居住したい、あるいは出てしまったら他に住むところがなくなってしまう等の理由で、なかなか自宅を売却することが出来ないケースがあります。また換価分割の場合は税金にも注意する必要があります。

共有

当然、不動産を共有のままにしておくことは出来ます。現物分割では遺産が偏りすぎ、代償分割では自宅を継続使用する人が現金を用意できず、換価分割では住むところがなくなってしまうとなると共有のままということになります。しかし共有はその時は良いとしても年月が経過しますと必ず不都合が生じてきます。共有者の一人がお金が必要になり売却したいと思っても全員の同意が必要です。また共有者が亡くなると相続が発生し、権利関係が複雑になってしまいます。共有は避ける方が無難です。

まとめ

現実的には、何もしないというケースもあり得ます。自宅がまだ亡くなった人の名義のままというケースがよくあります。年とともに相続人が亡くなっていきますので、その相続も発生します。関係者が増えて複雑になってしまいます。基本的に中間省略登記は出来ませんので、いつかは亡くなった人の順番に逐次相続処理をしなくてはなりません。面倒なことを次世代、次々世代に押し付けているだけになります。相続登記は早めに行うことが必要です。

遺産分割が相続人の間でもめないようにするのが人生最後の仕事とも言えます。折角、皆のために生きてきたのに最後に自分のことが原因でもめてしまっては元も子もありません。遺産を分割しやすいようにしておく、分割割合、分割方法を予め相続人に理解してもらう、遺言書を書くなどの準備が必要です。家族、親族に揉め事の種を残して、”後はよろしく”ということだけは避けたいものです。

(2010年 11月 6日)

不動産の相続登記

親が亡くなっても不動産の相続登記をしていない方が少なからずいます。別に支障がないから良いだろうということだと思います。確かに固定資産税を払っている限りにおいては役所からも指摘されません。暫くは困らないとは言えます。ただ、いつかは困ります。問題を先送りにしていることになります。

今回は相続による不動産の所有権移転登記に関してです。

相続登記をしないことによる不都合

相続登記をしないと、後々以下のように事態が複雑になってくる可能性があります。
・相続人が死亡して、その子供に相続権が移ってしまった
・相続人が結婚して、その配偶者がお金にうるさい
・相続人の経済状態が変わってしまった
・相続人である配偶者(故人の夫、妻)が再婚をした
亡くなった直後であれば、故人のためにも話を丸く収めようと努力するでしょうし、記憶が鮮明なので故人のために尽くした人が多く相続しても納得できるでしょう。しかし、年月が経過してしまうと相続関係が複雑になったり、関係者が増えたり、余計なことを言う人が出てきたりと厄介になってきます。問題を先送りにしたい気持ちも分りますが、いずれにしろやらなければならないことです。問題が大きく複雑にならないうちに片付けておいた方が良いと言えます。

「相続による不動産の所有権移転登記」を相続の部分と登記の部分に分けてみます。

不動産の相続

まず相続です。
相続人が1人であれば問題ありません。その人が全て相続すれば良いだけです。ただそのようなケースは少なく、相続人が複数いる場合がほとんどで、その場合には遺産分割が必要です。以下の3つのケースがあります。
1)遺言があり、その通りの分割をする
2)法定相続通りの分割をする
3)相続人全員で遺産分割合意書により合意分割する
まだ、遺言分割はそれほど多くはありません。また様々な事情がありますので単純に法定分割で済むケースも多くはありません。結局は、相続放棄も含めて話し合い、相続人で合意分割することになります。そして、遺産分割協議書を作成することになります。その中で、相続人の誰がその不動産を相続するか記載すれば良いわけです。しかしこれが意外と簡単ではなく、ずるずると相続登記が遅れてしまう原因になっています。

相続人による不動産の変更登記

不動産を相続する相続人が決まれば、次が登記です。
登記は本人申請が原則になっています。決して司法書士に頼まないといけないわけではありません。確かに、売買のように相手がいて共同申請が必要な場合は、取引の安全を図る上で専門家である司法書士に依頼することが現実的です。しかし、相続登記は単独申請ですので簡単です。本人申請が可能です。

具体的には以下の書類が必要になります。
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本、改製原戸籍謄本
・被相続人の除住民票
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書(実印押印)
・相続人全員の印鑑登録証明書
・不動産を相続する人の住民票
・固定資産評価証明書
以上の書類により、法務局は、
1)被相続人の戸籍によって相続人を割り出すことと
2)相続人全員で遺産分割を合意し、当該不動産は申請人が相続することで間違いがないことを判断することになります。
なお、相続登記の場合は、固定資産税評価額の1000分の4の登録免許税が必要になります。

自ら相続登記を行った実例

ところで先日、80歳のお年寄りに遺産分割協議書を作成して差し上げました。必要書類を教えておいたところ、司法書士に依頼せず自ら所有権移転登記を済ませてしまいました。法務局の相談窓口の方が丁寧に教えてくれたので特に問題なかったとのことです。5~10万円程度の司法書士費用を払わないで済んだことになります。相続登記は遺産分割協議書さえ作成できれば簡単です。

一見面倒に見えても、やってみると案外簡単なことが多いものです。お金に余裕があり、時間に余裕がない場合は別ですが、そうでなければ、相続登記は本人申請がお勧めです。また、新築建物の所有権保存登記、登記名義人の住所や氏名変更、あるいは抵当権抹消登記も同様に単独申請で簡単に行えます。

(2009年10月10日)

外国人の在留許可と就労

外国人が増えています。街中でも職場でも増えてきました。少子化も相まって今後ますます増えると思われます。外国人と一緒に生きていくことが必要になってきています。

今回は、入管法、外国人の在留許可、そして就労に関してです。

外国人とは

まず外国人という定義ですが、入管法によれば「日本人の国籍を有しない者」となっています。つまり、外国の国籍を持っていても日本の国籍を持っていれば、日本人であり、外国人として扱わないということになります。また、日本は血統主義(*)を採用していますので、どちらか一方の親が日本人であれば、どこで生まれても日本人になります。

査証(ビザ)と在留資格

次に、外国人が日本に入国する際ですが、一般に、有効な旅券を所持することの他に、査証(ビザ)が免除される場合を除き、旅券に有効な査証を取り付けていることが必要になります。査証が免除されるのは、査証免除国の国籍を持ち、観光など報酬活動に従事しない短期滞在の場合です。平成17年の在留資格別新規入国者数(永住者を除く)612万人のうち、短期滞在がほとんどで約94%です。

さて、”本格的に”日本に滞在しようとする外国人には査証が必要となります。日本の査証は入国目的別に以下の7種類があります。
外交、公用、就業、一般、通過、短期滞在、特定
査証とは入国するために必要なものであり、入国の際に査証に記載されている入国目的に対応した在留資格を得てしまうと、その役目を終了します。

従って、よく言うビザの変更、ビザの延長という表現は正しくなく、正しくは在留資格の変更、在留期間の更新になります。また、入国目的、在留資格、在留身分、在留活動とはほとんど同一の意味、あるいは対応関係が存在します。査証はそれをグルーピングしています。その対応関係は以下の通りです。

査証(ビザ)と在留資格の種類

査証の種類:入国目的/在留資格/在留身分/在留活動
1)外交:外交
2)公用:公用
3)就業:教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、
研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能
4)一般:文化活動、留学、就学、研修、家族滞在
5)通過:短期滞在
6)短期滞在:短期滞在
7)特定:特定活動、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
(査証不要:永住者)
<計 :27種類>

7種類の査証に27種類の在留資格です。但し、永住者だけは入国時に査証は不要です。

在留資格と在留活動

日本では在留資格に対応した在留活動が出来ます。逆にそれ以外の活動は原則的に出来ません。在留資格に対応した就労活動であれば、入国後に就労許可を得る必要はありません。欧州諸国では逆で、入国した後で就労許可を得ます。

27種類の在留資格の内、
日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、永住者
の4つの在留資格だけは特別扱いになっています。在留活動に制限がなく、単純労働など職種を問わず、収入を伴う活動が何でも出来ます。更に永住者はそれに加えて在留期間の制限がありません。他の3つの在留資格は1年、または3年間が在留期間です。もちろん、在留期間の更新は可能です。というわけで、外国人は、日本人の配偶者になりたがるわけですし、更には永住者の資格を取りたいと思うわけです。永住者の資格を取得するためには、通常は10年ほど真面目に日本に在留、生活する必要がありますが、日本人の配偶者であれば、それよりもずっと緩い基準で永住者になることが出来ます。

外国人の就労

ところで、留学、就学という在留資格だけでは報酬を伴う活動をすることは出来ません。そこで多くの留学生は資格外許可を受けてアルバイトをすることになります。それによって、例えば1週間に28時間を限度に資格外活動、要はアルバイトをすることが出来るようになります。

外国人を雇う場合には、旅券や外国人登録証明書(市区町村でこれを取得すれば旅券の携帯を免れます。)で在留資格を確認して、職種、期間など雇用しても問題のないことを確認する必要があります。ところが、一般の人にとって、その判断が実は容易ではありません。結果的に、雇用者は不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)を犯したくはありませんので雇うことに慎重、あるいは消極的になりかねません。それではまずいということで、誰にでも簡単に分る、就労資格証明書というものを入国管理局が発行するようになりました。取得は任意ですが、1000円以下で取得できますので、持っていない外国人には是非入手を勧めると良いと思います。本人も不利益な扱いを受けないようになりますし、雇用側も安心できます。

(*)血統主義に対立する概念として出生地主義(親がどこの国の国民であろうと、自国で生まれた子は自国民になる。)があります。 血統主義は韓国、ドイツなど、また出生地主義はアメリカなどが採用しています。

(2008年10月19日)