離婚の基礎知識

離婚協議書のポイント!
・離婚協議書の締結は離婚届出をする前が原則です。届出後でも可能ですが、合意が難しくなります。
・離婚協議書は、公正証書にするケースとしないケースがあります。
・公正証書にする一番の理由は、養育費等の不払い時に、裁判を経ずにすぐに強制執行を可能にするためです。
・離婚協議書に盛り込む要素は、慰謝料、子の親権、養育費、面会交流、財産分与、年金分割などです。
・年金分割を盛り込む場合は、公正証書にすることが必須です。
・当事務所も公証役場も、ご夫婦の間に入って、離婚の条件に関する調整を行うことはできません。
・離婚の条件に関して、ご夫婦間で基本的合意が済んでからご連絡をいただくことになります。
・個別の事情にもよりますが、事実婚の解消も離婚協議書と基本的に同様の考え方になります。
・公正証書にする場合、代理を認める公証人と認めない公証人がいます。
・公証人の手数料は、慰謝料、養育費の金額により違ってきますが、一般的に3万円程度が多いです。
・当事務所の報酬は5万円(税別)です。
・ご相談だけの場合は、最大1時間で5千円(税別)です。ご依頼いただいた場合は費用の一部に充当します。
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問合せ

離婚の理由と原因

離婚は有責主義から破綻主義へ移行していると言われています。不貞等の責任が一方に生じることにより離婚が認められていましたが、現在では理由はともあれ、別居しているなど客観的に見て、夫婦生活が破綻していれば離婚できることになっています。

まず、民法では、離婚の訴えの提起理由として以下の5点を挙げています。

  • 配偶者の不貞行為
  • 配偶者から悪意で遺棄された時
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の望みがないとき
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

つまり、配偶者に何らかの責任が認められるときに他方から離婚を提起できることになります。
それでは、有責原因をつくった配偶者からの離婚は可能でしょうか? 以下の3点が言われています。

  • 原則的には認められません
  • 責任のない他方配偶者が離婚に合意をし、離婚が成立しても慰謝料支払い義務が発生します
  • 同上で、未成年の子の親権を得られません

上記と表裏の関係にありますが、有責原因をつくった配偶者からであっても、別居期間が長いなど、既に婚姻が破綻しているとみなされる場合は、離婚が認められるケースがあります。以下のような場合です。

  • 同居期間に比べて別居期間が長期間(同居期間の半分以上)に渡る
  • 相手方配偶者を、精神的、社会的、経済的に極めて過酷な状態におかない
  • 未成熟(未成年)の子がいない

離婚の手続き

離婚届の不受理申出

離婚届は、双方が条件等に合意して捺印し、役所に提出すべきものですが、相手に無断で提出し、離婚が成立してしまうケースが結構あります。もちろん、私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載にあたりますが、成立してしまうと厄介でそれを取り消すのに相当の労力を必要とします。結果として、離婚が成立しているという前提で条件を話し合うことになり、無断で離婚届を出した方が、「やり得」になってしまいます。

それを防御するために、「離婚届の不受理申出」というものがあります。離婚届が簡単に出されてしまうという欠陥を埋めるものとして、簡単に申出することができます。相手方に不法な離婚届を提出させないために、離婚の可能性が出てきたらすぐに申し出る方が無難と言えます。以前は6か月間有効で、6か月ごとに提出し直さなければなりませんでしたが、現在は無期限で有効になっています。

離婚の種類

離婚には、

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 裁判離婚(和解、判決)

があります。

協議離婚

話し合いで条件を決め、離婚する方法です。結果の条件は当然文書にして残す必要があります。一般的には、執行認諾文言付公正証書にして、一方が義務を履行しない場合は強制執行を即座に可能にしておきます。公正証書にしていない場合は家庭裁判所に調停の申立をする必要があり、非常に手間がかかります。特に離婚の場合は慰謝料、養育費が長期にわたる場合がありますので、公正証書化が必須と言えます。協議がまとまらない場合は調停に進みます。離婚は調停前置主義なので、調停を飛ばして直接訴訟に持ち込むことは出来ません。

調停離婚

調停の申立をしますと、数週間後に調停の呼び出し状が着きます。初回の調停は申立から1ヶ月ないし1か月半後位になります。1回2時間程度、1ヶ月に1回ペースで調停が繰り返され、半年から1年程度かかります。

調停になりますと、共有財産を保有する側が財産隠し、処分を行うことが多いです。調停前に仮の処分申請書を家裁に提出できますが、強制力がなく違反しても10万円の過料で済みます。本来は、民事保全法の仮処分を行ない、共有財産の保全を図りますが、かなり専門的な知識が必要になってしまいます。

調停が成立しますとその日が離婚の成立日となり、その日から10日以内に離婚届を提出する必要があります。一方、協議離婚の場合は、離婚届提出日が離婚成立日となります。

裁判離婚

離婚は、調停前置主義なので、調停を行い不成立の場合に、調停不成立証明書を提出して初めて訴訟が可能になります。裁判に進んだ後でも、いつでも和解をすることが出来ます。裁判官が和解案を提案する場合もあります。裁判官の和解案は当然、判決内容を示唆する内容になりますので、半分程度は途中で和解により決着し、判決にまでは至りません。

また、陳述書というものを書くことになります。相手との出会いと共同生活に関する自分の歴史を書いていきます。裁判を有利に進めるため、第三者による陳述書が必要になることもあります。これには事実、エピソードをそのまま書くことが必要であり、価値観等による判断は入れない方が裁判官の心証が良くなります。

裁判になりますとかなりの期間が必要になります。事件の発端から協議を経て調停に至るまでに6か月、調停に6か月、訴訟になると更に1年で計2年間ほどかかります。更に、控訴、上告まで進みますと、プラスで1年半ほど必要になります。

弁護士費用

離婚の話し合いの段階から弁護士に頼むケースはほとんどないと思います。話し合いで養育費の金額や支払期間などに合意できた場合は、行政書士に依頼すれば、5万円程度で離婚協議書を作成することができます。調停になった場合は、弁護士に依頼することがあると思います。訴訟になると弁護士に依頼するケースが多くなります。

弁護士費用は、着手金、報酬金の形態が多いです。

  • 着手金 20~30万円
    調停から依頼したときです。もし調停不調になり訴訟に移行する場合は更に10万円をプラスします。訴訟から依頼するときは、最初から30万円程度です。
  • 報酬金 30万円程度
    慰謝料200万円の支払いを受けた場合で、調停、訴訟共に同額です。

その他、法テラス、市民相談などで取りあえず弁護士に相談ができる方法があります。

参考情報

事実婚(内縁関係)の場合

現在は、婚姻の籍を入れていない事実婚(内縁関係)であっても、原則的に法律婚と同様の扱いをされます。
従って、財産分与、養育費、婚姻費用、慰謝料、年金分割等、法律婚の離婚と同様に考える必要があります。

離婚前、別居期間中の婚姻費用

夫が離婚を言い出した時、別居をしてしまった時など、妻に生活費を渡さないことがあります。夫婦の生活費は分担する義務がありますので、婚姻を継続するための妻、あるいは子を含めた生活費として婚姻費用の申し立て請求を家庭裁判所に対して起こすことができます。

婚姻費用は、請求したときから、離婚成立など婚姻費用分担義務がなくなるまでとされています。逆に言うと、請求より前の分、また離婚後は請求できません。一般に、別居期間中が対象になりますが、夫婦が一緒に暮らしている場合でも,夫がその収入を一方的に確保している等,片方の配偶者の生活にとって必要な生活費が渡されていないような場合には,同居中でも婚姻費用分担請求が認められます。

婚姻費用は、請求する側の配偶者の生活費と子どもの養育費に分けられます。別居に至った責任のある側からの婚姻費用(生活費)請求は認められないことがありますが、子どもに対する養育費は子どもに対する義務なので理由を問わず認められます。

婚姻費用は、養育費同様、一般に用いられている算定表があります。

>養育費・婚姻費用算定表

家庭裁判所における調停

家庭裁判所の調停手続では,夫婦の資産,収入,支出など一切の事情について,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等の提出を求めたりします。そして、解決案の提示,解決のための必要な助言など,合意を目指した話合いが進められます。

話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続が開始され,裁判官が,必要な審理を行った上,一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

 

子を連れて新しい婚姻をするとき

  • 普通養子縁組
    離婚後、子はどちらかの親に引き取られ養育されるのが一般的です。その後、その親が新たな婚姻をすることが考えられます。その際、親の新たな配偶者と子の関係を決める必要が出てきます。普通養子縁組をするケースとしないケースがあり得ます。子が小さい場合の方が、普通養子縁組する比率が高いといえます。普通養子縁組をするにしろ、しないにしろ、離れてしまった方の親と子との関係には何の変化もありません。

普通養子縁組をすると、その子は、離れてしまった実の親と養親との双方で二重に親子関係が成立します。結果として、どちらの親とも扶養し、扶養される権利・義務、相続関係が成立することになります。親が亡くなるときに相続の問題が発生する可能性が高いので、養子縁組をするかしないか十分に考えることが大切です。

  • 特別養子縁組
    連れ子のある親と婚姻し、その連れ子を養子にするとき、その養親はその子のもう一人の実親との関係を断ちたいと思うかもしれません。しかし、民法上、血縁上の親子関係を解消するのは、特別養子縁組を除いてはできません。

特別養子縁組とは、実の親子関係を解消し、子を養親との親子関係のみにする特別な養子縁組の制度です。本来は、虐待で保護されたり、6歳未満の子どもが遺棄されたりしたときに、養親となる夫婦が共同で行う縁組です。

その特別養子縁組に、配偶者の6歳未満の連れ子を「実子」扱いにするときだけ単独縁組ができるという例外規定があります。子の利益のために特に必要があると認められるときに成立します。この例外規定が適用されると、子は離れてしまった実親との関係が解消され、扶養してもらっている実の片親とその新しい配偶者の実子となります。

母子家庭

母子家庭とは、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」によれば、 次に該当する方で、20歳未満の児童を扶養している家庭を母子家庭といいます。

  • 配偶者と死別した女子で現に婚姻をしていないもの
  • 「配偶者と死別した女子で現に婚姻をしていないもの」に準ずる次の女子
    • 離婚した女子で現に婚姻をしていないもの
    • 配偶者の生死が明らかでない女子
    • 配偶者から遺棄されている女子
    • 配偶者が海外にあるためその扶養を受けることができない女子
    • 配偶者が精神または身体の障害により長期にわたって労働能力を失っている女子
    • 政令で定める次の女子
      • 配偶者が法令により長年にわたって拘禁されているためその扶養を受けるこ とができない女子
      • 婚姻によらないで母となった女子で現に婚姻をしていないもの

婚姻とは、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含みます。

>「母子及び父子並びに寡婦福祉法」

ブログ

>ブログ 「離婚」

町田・高橋行政書士事務所の離婚協議書サポート

サポート内容

離婚時には様々な取り決めが必要になります。特に子供がいる場合は、その養育費が長期に渡るため、双方が慎重に話し合い、決定し、文書を交わすことが必要です。
当行政書士事務所では、もれがなく、将来に禍根を残さないような離婚協議書を作成します。また、執行認諾文言付の公正証書にするサポートも行います。

費用

  • 公正証書にするための公証人手数料
    • 標準的には、3~4万円程度
  • 当事務所の報酬
    • 離婚協議書作成報酬は、5万円~(税・実費別)
  • その他
    • 進め方など一般的なご説明、費用見積りのための初回打合せは無料です。
    • 個別のご相談、アドバイスは有料です(1時間以内5,000円)。依頼される場合は、内金となります。
    • 当事者間で離婚協議書の内容に関して合意されていることが前提です。
    • 作成期間は、1ヶ月程度です。
    • 公証人の手数料計算方法
      • 対象価額を手数料テーブルにあてはめて計算します。
      • 慰謝料・財産分与と養育費の手数料は別々に計算し、その合計額が手数料になります。
      • 養育費は、10年分の金額のみが対象価額になります。

なお、私的な離婚協議書の公証人認証費用は、5,500円です。

期間

離婚協議書の内容が合意されているかどうかにより決定的に違います。ほぼ合意されている場合は、公正証書の案を1週間程度で作成します。その案を公証役場で確認してもらい、実際に公証役場で公正証書を作成するまでに更に1週間で、最短では合計2週間程度で終了します。

ご夫婦で全く話し合いをしないで、ご自分一人の思いだけで来られる場合もあります。そのようなとき、結局は合意できずに終了してしまうケースもあります。

対応エリア

  • 町田市などの東京都
  • 相模原市、座間市、厚木市、大和市、綾瀬市、海老名市などの神奈川県
  • 内容によっては全国、海外へのコンサルテーション等も行います。

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