- 日本人男性との間で子供を産んだフィリピンの女性が親子で来日し、劣悪な条件で働かせられたり、不当な借金を負わされたりする被害が増えている。
- 子供の日本国籍をとりやすくした制度改正を悪用し、支援を装って来日させる悪質ブローカーが横行している。
- 日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれた子供は「ジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン(JFC)」と呼ばれる。
- 一般財団法人「アジア・太平洋人権情報センター」(大阪府)の藤本伸樹研究員によると、JFCの母親や母子が強制的に働か されるといった被害は3年ほど前から急増。年数十件の情報が寄せられている。
- 背景には国籍取得要件の緩和がある。日本政府は2008年、両親が結婚していなくても、父親が生後に認知すれば子が国籍を取れるよう法改正した。
- それにも関わらず、悪質フローカーから「国籍取得にかかる裁判費用」の名目で60万円の借用書に署名させられ、ホステスとして働くよう指示されたケースなどがある。
- NPO法人「JFCネットワーク」(東京)によると、日比の婚外子は少なくとも数万人いるとされる。
- フィリピンに信徒が多いカトリック教会などでつくる「日本カトリック難民移住移動者委員会」(東京)は近く、母子らを含め た人身取引の問題に取り組むプロジェクトチームを発足させる。
(2016年10月31日 日経新聞より)