特別支給の老齢厚生年金繰下げはできません

年金は基本的に65歳からの支給になっていますが、まだ60歳支給開始から65歳支給開始への移行の経過措置として、65歳前でも受給できるケースがあります。65歳前の特別支給の老齢厚生年金がそれになります。今年60歳になる人は老齢厚生年金の比例報酬部分を特別支給されます。

一方、繰上げ受給、繰下げ受給という制度があります。減額されても良いから早く受給したい場合が繰上げ、受給を遅くしても良いから増額してほしい場合が繰下げになります。

上記の65歳前の特別支給の老齢厚生年金を繰り下げて増額させたい、という話が出ることがありますが、全くの誤解です。特別支給の老齢厚生年金は繰下げはできません。繰下げというオプションはありません。経過措置として、暫定的、恩恵的(?)に支給されているものなので、「後で受給するから増額してくれ」という希望は受け入れてくれません。素直に、速やかに受給するしかありません。

もっとも、会社員で厚生年金に加入している人は低年齢在職老齢年金の制度で減額、あるいは支給されないケースがありますが…

2011年11月19日(土)