停止条件と解除条件

昨日、以下のようなニュースがありました。

「政府は、福島第1原発の放射性物質漏えい事故の影響で、福島県産のホウレンソウとカキナに対して出荷停止を行っていたが、放射性物質が3週連続して暫定基準値を下回り、国が示した解除条件を満たしたので出荷停止を解除した。」

民法には、停止条件と解除条件というものが出てきます。最初はこれが分かりにくいです。分かったと思うとまた忘れて混乱してしまいます。

  • 停止条件
    ある条件が成就すると一定の法律効果が発生する、そのような条件を停止条件と言います。「現在有効ではない法律効果をそのまま『停止』させておくための条件」、と覚えるようにしています。
    例えば死亡すると贈与が発生するような遺贈の場合の死亡が停止条件になります。
  • 解除条件
    ある条件が成就すると一定の法律効果が消滅する、そのような条件を解除条件と言います。「現在有効である法律効果を『解除』するための条件」と覚えるようにしています。
    今回のニュースが良い例です。「3週連続で放射線物質が暫定基準値を下回る」と出荷停止を解除する場合の「3週連続で放射線物質が暫定基準値を下回る」というのが解除条件になります。

AならばBという関係は同じですが、Bが法律効果を発生させるのか消滅させるのかで分けています。

2011年4月10日(日)