敷金返還の進め方
- 以前よりは少なくなったとはいうものの、敷金返還、原状回復にまつわるトラブルは少なくありません。
- 金額が比較的少額ということもあり、泣き寝入りになっているケースも少なくないと思われます。
- 逆にその心理に付け込んで、家主側が不当な要求をしているケースもあるようです。
- しかし、金額の問題ではなく、悪徳家主の言うままになるのも腹立たしいものです。
- そのようなときには、以下の3ステップで対応します。
第一段階
以下の東京都、国交省のガイドラインを参考にして、家主から着いた見積書をチェックします。
基本的な考え方は、以下の点です。
・敷金は賃貸借が終了して賃貸物の返還を受けたときに賃料等の未払債務を差し引いた残額を返還しなければならないこと(民法 第622条の2) ・賃借人は通常損耗(賃借物の通常の使用収益によって生じた損耗)や経年変化についてまで原状回復の義務を負わないこと(民法 第621条)など
- 疑問があれば、電話なり、手紙なりで問い合わせをします。
- 問合せをする際は、「東京都、国交省のガイドラインによれば...」と、こちらにもそれなりの知識があることを示します。
- このガイドラインは、事実上、家主が従うべきものとされていますので、相当強力なものです。
- ガイドラインを持ち出されると、すくに折れるケースもあります。
- この場合は借主の知識レベルを甘く見ての不当要求と思われます。
第二段階
- 第一段階で家主がまだ折れず、かつ、ガイドラインに照らし納得がいかない場合は、内容証明郵便を出すことが考えられます。
- 内容証明郵便自体に法的効力があるわけではありませんが、その次のステップは訴訟だという借主側の意思を示すには有効です。
- 家主側も、訴訟に持ち込まれると面倒なので、自分が不利な場合は、この辺りで折れてくる可能性が高いです。
- 同等の効果があるものに、敷金返還ADRの申し込みがあります。
- 費用は数千円ですので、本気度を示すのには便利です。
第三段階
- 第二段階でも家主が折れず、自分が正しく納得できないと考える場合は、少額訴訟に持ち込むことになります。
- 訴状を出してから1~2か月後に審理され、原則1回で判決が出ます。
- 60万円が請求額の最高ですが、その場合でも手数料は6千円で済みます。
- 簡易裁判所に敷金返還請求などの訴状のひな形がありますし、書き方も教えてもらえるますので、意外とハードルは低いです。
相談機関
問題解決の方法
- 一般的に、敷金返還トラブルの対象金額はそれほど多くないので、自分で対応するのが第一の方法になります。
- かなり解決までの手間がかかる割には報酬が少なくなってしまうという理由で、行政書士等の士業の先生でもあまり対応するところは多くはありません。
- なお、内容証明郵便であれば、当事務所で対応可能です。