「特定技能」、まず8か国から

政府は、2019年3月までに、アジア8か国と情報共有などを定める2国間協定を結ぶ。
「技能実習」から「特定技能」への移行をメインにしていると、人手不足解消にはすぐにつながらないため、認定証明書を経由した新規受入を急ぐ。

  • ベトナム、中国、フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマー、カンボジアの7カ国で、残り1カ国は調整を続けている。
  • 4月以降は、対象国を順次拡大する。
  • 「特定技能」専用の日本語試験を設けて、新たな労働者の受け入れを始めることになる。
  • 来日した外国人労働者がすべての金融機関で口座を開設できるようにして、給与を管理しやすくする。
  • 「多文化共生総合相談ワンストップセンター」を全都道府県に設ける。
    政令指定都市などにも置き、全国で約100カ所程度を想定する。
  • 技能実習制度で目立つ悪質ブローカーを排除する。

 

  • 技能実習制度の関連
    • 日本に在留している外国人は今年6月時点で約28万5千人。
    • ベトナムは最も多い約13万4千人を占め、新制度でも柱となる。
    • 中国は約7万4千人、フィリピンも約2万8千人が在留する。
    • 現在、技能実習を受けている実習生は8カ国以外でも新資格に移行する場合がある。

例えば、中国から日本の旅館・ホテル業に就職する「特定技能1号」

「特定技能」の資格を取得するルートは、「技能実習」経由とそれ以外があります。
ここでは、「技能実習」以外のルートに関してです。

「特定技能1号」の資格を取得するには、
1)当該業務の技能試験と
2)日本語試験
に合格する必要があります。

まず、技能試験ですが、宿泊業を含めた3業種は最も早く、2019年4月から行われることに決まりました。
また、日本語試験ですが、当初開始8か国の中に中国も含まれています。

つまり、技能試験と日本語試験に合格すれば、中国から「特定技能1号」の認定証明書が取得でき、来年上半期には入国し、旅館・ホテル業に就職することができそうです。
また、現時点では、外国人申請人と受入機関との直接雇用契約が前提ですが、派遣契約も認める方向で検討中とのことです。

「特定技能」の技能試験

「特定技能」の技能試験に関して、徐々に明らかになってきています。

  • 「特定技能1号」を取得するための「相当レベルの技能」の有無を判定する技能試験
    • 2019年4月: 宿泊業、介護業、外食業
    • 2019年10月:飲食料品製造業
    • 2019年秋以降:ビルクリーニング業
    • 2019年度内: 残りの9業種
      • 受験資格は問わない。
      • 「技能実習1号」終了者は、本試験の合格が必要
      • 「技能実習2号」及び「技能実習3号」修了者は、本試験を免除
  • 「特定技能2号」を取得するための「熟練レベルの技能」の有無を判定する技能試験
    • 2021年度:建設業と造船業
      • 受験資格は、「特定技能1号」又は「技能実習3号」終了者

海外在住の外国人労働者の家族は健康保険の対象外へ

企業等の健康保険の場合、被扶養者も被保険者になります。旅行中など海外で受診した場合は、海外療養費が支給されます。一部の外国人がその制度を利用して、海外在住の家族の医療費を日本の健康保険から払わせているようです。「そこまでするか。」という感じですが、今後はこのような制度の不備を突いたような利用をできなくするようです。確かに、日本の医療制度で、そこまで面倒をみることはできないと思います。

受診する際には在留カードを提示

現在医療機関を受診する際には、保険証だけで済みます。
本人確認が甘いので、なりすまし受診が多いとのことです。
特に外国人のなりすましが多いようで、健康保険財政圧迫の一因になっています。
今後は、外国人は在留カード、日本人は運転免許証などの顔写真付きの公的証明書の提示により本人確認をする方向とのことです。

考えてみれば当然で、今までが性善説に過ぎたということだと思います。
なりすましをする外国人の感覚からすると、「こんな抜け穴のある健康保険制度を設計する日本が悪い。」ということなのかもしれません。
今後は、日本人の間だけで通用する常識を前提とした制度は変更していかざるを得ないでしょう。

 

入国管理局の申請書が変更

入国管理局の外国人在留関連の申請書が変更されています。
分かった範囲の具体的な変更は、以下のようです。

  • 「申請人2」の「職歴」の欄
    •  従来は、職歴単位で年月欄が一つでした。
    •  それが、入社/退社の2つに分かれました。
    •  今まで書きにくかったのでこれは改善です。
  • 「所属機関1」
    •  「契約の形態」が増え、以下の選択をするようになりました。
      雇用、委任、請負、その他
  • 「所属機関1」「所属機関2」
    •  「勤務先」、「派遣先」の(x)の数字が変更されていますが、単に「支店・事業所名」に番号を振っただけの変更です。
  • 認定証明書
    •  日系四世の項目が増え、結果的に「所属機関用3」が増えました。

在留資格の数、様式の数が多すぎて、網羅的に調べるわけにはいきませんので、あくまでも分かった範囲の変更内容です。

シェアオフィスも在留OK?

在留資格「経営・管理」に必要な事務所要件が緩和されるようです。
今でも状況によっては認められないこともないですが、以下の3要件を満たせば、9月から、シェアオフィスも事務所として認めるとのことです。

  1. 日本貿易振興機構(ジェトロ)が支援
  2. 起業から3年未満
  3. 登記ができるシェアオフィスに入居

2、3はともかく、少し調べた範囲では、1の要件は狭く、実際はあまり変わらないような気がします。

外国人留学生の就労拡大に向け、新たな制度

法務省は外国人留学生の就労拡大に向け、以下の新たな制度を創設するとのことです。

  • 日本の大学または大学院の卒業後、年収300万円以上で日本語を使う職場で働く場合に限り、業種や分野を制限せずに外国人の在留を認める。
  • 留学生が大学卒業後に就労を希望する場合「技術・人文知識・国際業務」など入管法に定める就労資格に変更すれば今も可能だが、学んだ分野と業務に関連性が必要で、選択肢が限られていた。
  • 独立して生計を維持する能力を示す基準として年収300万円の要件を満たせば就職先を幅広く選べる。
  • 起業など外国人のさまざまな活動を法相が独自に定める在留資格「特定活動」の対象範囲を広げるか、入管法を改正して新たな資格を設けるかを検討している。
  • 来春にも新制度を導入し、留学生の就労拡大につなげる。

留学生が、業種や分野を問わず就職して在留できるとしたら凄いことです。
今まで、多くの留学生が、「学んだ分野と業務の関連性」という壁にぶち当たって帰国していました。
この制度が導入されれば、相当の数の留学生が日本で就職をするのではないかと思われます。

外国人就労に適性試験

外国人雇用協議会は、2018年9月から、就労を希望する外国人の適性試験を始める。

  • 日本語や社会的なマナー、仕事上のやりとりなどの基礎知識を試して評価する。
  • 企業が必要な人材を得やすくなるほか、外国人側も企業が求めている技能や知識がわかりやすくなる。
  • 受験対象者は日本での就職を考えている留学生などを想定する。
  • マークシート方式の選択問題で、たとえばゴミ出しのルールから、来客や電話の応対、ビジネス慣習などに関して出題する。
  • 結果は10段階で評価する。
  • 2019年には、ホテル・旅館や飲食、小売りなど業種別に能力試験を始める。
  • 2019年4月からの新在留資格を取得するためには、関係省庁などが実施するこのような試験への合格が必要な場合がある。

新就労資格の対象を拡大

新しい就労資格として、人手不足が深刻な建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野だけでなく、一部の製造業を対象に含める方向になった。

  • 技能実習制度が扱う77職種のうち、食料品製造、鋳造、金属プレスなどが追加される可能性がある。
  • 非製造業では漁業などが候補に挙がっている。
  • ただし、3~5年の技能実習を優良で修了し、即戦力として期待できる外国人に限る方向。
  • また、入国前の外国人への日本語教育にも力を入れる。