贈与税の申告漏れ 税務署の目、より厳しく

贈与税とは、一定の額(基礎控除110万円)を超える財産をもらった場合、もらった側の人間が納めなければならない税金のことです。税率の最低ラインは10%で、最高税率は55%に達します。

祖父母の預金口座などに入っているお金を、子や孫などの家族名義の口座にとりあえず移動させるということをしがちです。しかし、相続税の調査対象となったときには遡って調査されることになります。

2015年11月の最新報告によると、税務調査によって明らかになった贈与税の申告漏れの発見率は、91.6%の高確率です。しかも、そのうち7割弱は預貯金の申告漏れであり、他の有価証券、土地、家屋などに比べて突出しています。つまり「調査が来たらほとんどアウト、大半は預金の操作が問題となる」というのが実態です。

日経新聞2016年4月6日より

相続税節税/贈与税基礎控除110万円の利用

来年からの相続税大増税を控え、新聞・雑誌等で相続税節税に関する記事を眼にすることが多くなりました。

一番多いのは、暦年110万円までの贈与税基礎控除枠を利用する方法です。しかし、毎年、同じようにする定期贈与は、一括贈与とみなされ、課税される可能性があります。税務当局から否認されないように、以下のような注意をすることが必要です。

・毎年、贈与契約書を作成する。
・贈与の事実を振込の記録として残す。
・振り込んだ相手の子・孫等の通帳を自分で預からない。
・毎年、金額を替え、振り込む日も替えるようにする。
・110万円を少し超えた額の贈与をして、10%の贈与税を払っておく。

しかし、以上のことを毎年行うのは結構面倒です。
そこで、ある信託銀行では、その面倒さをなくすため、受益権の分割という手法を用いた贈与を提案しています。信託銀行が間に入ることで、税務当局の生前贈与否認のリスクをなくすことができるとのことです。

2014年5月16日