本国等への帰国が困難な外国人に係る取扱い

新型コロナウイルス感染症の影響により本国等への帰国が困難な外国籍の方への支援について

出入国在留管理庁における在留資格の取扱に関するポイントが以下のようになっています。

  • 1 「短期滞在」で在留中の方
    → 「短期滞在(90日)」の在留期間の更新を許可
  • 2 「技能実習」,「特定活動(外国人建設就労者(32 号), 外国人造船就労者(35 号))」で在留中の方
    → 「特定活動(6か月・就労可)」への在留資格変更を許可
  • 3 「留学」の在留資格で在留している方で,就労を希望する場合
    → 「特定活動(6か月・週28時間以内のアルバイト可)」への在留資格変更を許可
    ※ 10 月 18 日までは、対象を 2020 年に教育機関を卒業した元留学生に限定していたが、19 日以降、「留学」の在留資格を有していた帰国困難者へ拡大。
  • 4 その他の在留資格で在留中の方(上記2又は3の方で,就労を希望しない場合を含む)
    → 「特定活動(6か月・就労不可)」への在留資格変更を許可

>厚労省「新型コロナウイルス感染症の影響により本国等への帰国が困難な外国籍の方への支援について」

 

国外退去の新たな方向

出入国在留管理庁は、以下の法律の改正案を来年の通常国会に提出する予定です。

不法滞在などで国外退去の処分を受けた外国人が、出国を拒んで長期間収容されている問題をめぐり、一定の条件を満たす外国人については施設に収容せず、親族などのもとで社会生活を送ることを認める方向

国外退去までの間、新たに「監理措置」を設けて、逃亡のおそれが低いなど、一定の条件を満たす外国人については、これまでのように施設には収容せず、親族や支援者などの監理人のもとで社会生活を送ることを認める方向

また、自発的な出国を促すため、退去処分を受ける前に、出国する意思を示した場合は、原則として5年間禁じられている再入国までの期間を1年に短縮する方向

一方で、難民申請中は送還が停止される法律の規定については、長期間の収容につながるとして、3回目の申請から停止を認めないほか、退去を拒む迷惑行為などには、退去を命令する手続きを新たに設け、従わない場合は懲役刑を含む罰則を課す方向

海外在住の外国人労働者の家族は健康保険の対象外へ

企業等の健康保険の場合、被扶養者も被保険者になります。旅行中など海外で受診した場合は、海外療養費が支給されます。一部の外国人がその制度を利用して、海外在住の家族の医療費を日本の健康保険から払わせているようです。「そこまでするか。」という感じですが、今後はこのような制度の不備を突いたような利用をできなくするようです。確かに、日本の医療制度で、そこまで面倒をみることはできないと思います。

受診する際には在留カードを提示

現在医療機関を受診する際には、保険証だけで済みます。
本人確認が甘いので、なりすまし受診が多いとのことです。
特に外国人のなりすましが多いようで、健康保険財政圧迫の一因になっています。
今後は、外国人は在留カード、日本人は運転免許証などの顔写真付きの公的証明書の提示により本人確認をする方向とのことです。

考えてみれば当然で、今までが性善説に過ぎたということだと思います。
なりすましをする外国人の感覚からすると、「こんな抜け穴のある健康保険制度を設計する日本が悪い。」ということなのかもしれません。
今後は、日本人の間だけで通用する常識を前提とした制度は変更していかざるを得ないでしょう。

 

外国人労働者が100万人を超える。

日本で働く外国人労働者の数が2016年に初めて100万人を超えた、と厚生労働省が27日に発表しました。

2016年10月末時点で、外国人労働者の数は、
108万3769人
前年同期と比べて19%増
4年連続増加
伸び幅は過去最高

外国人を雇用する事業所数は14%増の17万2798カ所

国別では、
中国が34万4658人で全体の3割
ベトナムがそれに次ぐ16%
フィリピンが12%

分類別では、
高度人材などの「専門的・技術的分野」が20万994人で、前年同期と比べて20%増
技能実習や留学も2割を超す伸び

技能実習制度や留学生を通じて事実上の単純労働者の流入が急増している。

先日も、技能実習を終了した人を日本に呼びたいという相談がありました。
制度的には無理ですが、このように現場の人手不足感はかなり強いです。
人手が不足しているときに入国を認めた外国人を、人手が余ってきたからすぐに出国させるというのは難しいです。
人手が足りる程度に仕事をし、むしろ単価を上げるくらいの方が良いように思えます。

フィリピン女性 不当労働被害増 日本人との子 国籍取得へ来日 だまされ借金負う

  • 日本人男性との間で子供を産んだフィリピンの女性が親子で来日し、劣悪な条件で働かせられたり、不当な借金を負わされたりする被害が増えている。
  • 子供の日本国籍をとりやすくした制度改正を悪用し、支援を装って来日させる悪質ブローカーが横行している。
  • 日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれた子供は「ジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン(JFC)」と呼ばれる。
  • 一般財団法人「アジア・太平洋人権情報センター」(大阪府)の藤本伸樹研究員によると、JFCの母親や母子が強制的に働か されるといった被害は3年ほど前から急増。年数十件の情報が寄せられている。
  • 背景には国籍取得要件の緩和がある。日本政府は2008年、両親が結婚していなくても、父親が生後に認知すれば子が国籍を取れるよう法改正した。
  • それにも関わらず、悪質フローカーから「国籍取得にかかる裁判費用」の名目で60万円の借用書に署名させられ、ホステスとして働くよう指示されたケースなどがある。
  • NPO法人「JFCネットワーク」(東京)によると、日比の婚外子は少なくとも数万人いるとされる。
  • フィリピンに信徒が多いカトリック教会などでつくる「日本カトリック難民移住移動者委員会」(東京)は近く、母子らを含め た人身取引の問題に取り組むプロジェクトチームを発足させる。

(2016年10月31日 日経新聞より)

訪日客、最速で1000万 5月15%増 地震影響、伸びは鈍化

相変わらず、アジアを主とした訪日客は増えていますが、伸び率は鈍化し始めました。

そろそろ、潮目が変わるかもしれません。
以下、観光庁の6月15日発表です。

  • 2016年の訪日外国人が6月5日時点で1000万人を超えた。
  • 7月半ばに1000万人を超えた昨年より1カ月以上早く、過去最速のペース。
  • 5月の訪日客数は前年同月と比べて15.3%増の189万3600人。
  • 5月としては過去最高を記録したが、伸び率は鈍ってきた。
  • 訪日客は13年に初めて1000万人を超え、15年は1974万人だった。
  • 今年1~5月は前年同期比29%増の973万人。
  • 中国が45%増の249万人、韓国が29%増の204万人。
  • 台湾を加えた3カ国・地域で全体の6割超を占め、アジアからの流入が際立つ。
  • 訪日客は前年を上回るペースで増えているが、伸び率は鈍化している。
  • 5月の韓国からの訪日客は前年同月比4.2%減。14年6月以来のマイナス。

(2016年6月16日 日経新聞より)

外国人定住へ環境整備

政府は日本で働く外国人やその家族の定住を促すため、包括的な環境改善策を打ち出す。

2014年のGDP対比の海外からの国内投資残高では182カ国中179位と世界最低水準。

  • 医療通訳者が常駐し、周辺病院に派遣もできる病院を現在の約20カ所から16年度中に40カ所に増やす。
  • 国内に3万人程度いる日本語教育が必要な外国人の子どものうち、実際に教育を受けているのは8割程度。
    • 2020年度までに全員が日本語を勉強できる体制にする。
  • 3割にとどまる留学生の日本での就職比率を、2020年までに5割に引き上げる。
    • インターンシップ(就業体験)を経験した留学生のビザ申請手続きを早める。
    • 全国で留学生向けの企業説明会を開く。
  • 2018年度にもビザの申請や変更、更新手続きをネットで済ませられるようにする。
  • 現在の2倍の1000本の法令を英語で読めるようにする。
  • 外国企業にとって面倒な行政手続きを減らす。
  • 昨年4月に東京都内に開いた起業手続きを1カ所で進められる拠点の使い勝手を改善する。

(2016年5月18日 日経新聞より)

在留外国人7年ぶり最多 昨年末223万人 留学・実習けん引

  • 2015年末の在留外国人数は223万2189人と前年末比5.2%増えた。
  • 1959年の調査開始以来の過去最高を7年ぶりに更新した。
  • 2008年末の約214万人をピークに景気後退や東日本大震災の影響で減少していたが、13年末以降は3年連続で増加した。
  • 景気回復による全国的な求人増を受け、就労を目指して日本に滞在する外国人が増加した。
  • 滞在目的でみると留学と技能実習がそれぞれ15%増え、全体の増加をけん引した。
  • 在留外国人とは労働や学習のため日本を訪れ中長期で滞在している外国人と、在日韓国・朝鮮人など特別永住者の合算。
  • 国籍別
    フィリピンが、5.5%増の22万9595人と多い
    ベトナムが、47.2%増の14万6956人
    ネパールは、29.4%増の5万4775人
  • 在留目的では、永住者が3.5%増の70万500人で最多。

(2016年3月11日 日経新聞)