増加するESOP導入企業

ESOPと呼ぶ株式を報酬として支給する制度を導入する企業が増えています。ESOPとは、Employee Stock Option Plan の略で、いわゆるストックオプションです。導入した上場企業が2年前の3倍で52社に達したとのことです。

ESOPは、米国のIT企業では常識の制度ですが、日本ではそれほど導入企業が多いとは言えません。勤続年数、会社の業績、個人の業務成績などによって、株式をゼロ円で購入できる権利を与える制度です。退職時などに、自社の株式をゼロ円で購入して株価の時価で売ります。つまり、ストックオプションの株数に株価を乗じた金額をまるまる手にすることができます。株価が高くなっていればいるほど大きな利益を得ることができます。新興企業などで報酬をあまり支給できない場合に有効な制度です。皆で頑張って企業価値である株価を上げれば上げるほど、後で大きな利益を得られることになります。会社からすれば、人件費の削減になりますし、従業員からすると働く大きなモチベーションになります。

似たような制度に、ESPPというものもあります。Employee Stock Purchase Plan の略です。ESOPがゼロ円で購入する権利なのに対し、ESPPはある一定の金額で購入する権利です。退職時などで、売却するときに、予め決められた一定金額で購入して、時価で売却します。従って、利益は売却時価と購入価格の差額になります。もし、株価が予め決められた購入価格より低くなってしまった場合、当然ながらその権利は行使しませんので、全く利益はありません。

ESOPもESPPも、これから成長して上場しようという企業には有効な制度です。
当事務所では、ESOP、ESPPの制度設計を行います。

2013年10月 2日(水)