解散と清算人の登記をして清算会社に移行します。
期首から解散の日までの株式会社の決算をします。
税務署に税務申告をします。
公告をして、2ヶ月間以上、清算事務を行います。
解散から清算終了までの清算会社の決算を行います。
清算結了登記をします。
税務署に届出します。
・登録免許税が、解散登記で39,000円、清算登記で2,000円、合計41,000円必要です。
目次
解散の事由
株式会社は、次に掲げる事由によって解散します。 (会社法第471条)
- 定款で定めた存続期間の満了
- 定款で定めた解散の事由の発生
- 株主総会の決議
- 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
- 破産手続開始の決定
- 第824条第1項又は第833条第1項の規定による解散を命ずる裁判
会社の解散・清算結了
上記「解散の事由」の「3.株主総会の決議」による会社の解散、清算は次のようなステップで行います。
- 株主総会にて、解散決議・清算人の選任をします。
- 法務局にて解散と清算人の登記(解散の日から2週間以内)をして清算会社に移行します。
必要書類:株主総会議事録、清算人の印鑑証明書、法務局への印鑑届、印鑑カード - 決算と税務申告手続をします。
解散事業年度の期首から解散の日までを、1つの事業年度として決算し、税務署に税務申告をします。
都・県税事務所、市役所等の法人市民税課へも解散届を行います。
それぞれ、登記事項証明書の写しを添付します。 - 必要に応じて、年金事務所、健康保険組合、ハローワーク、及び取引先等への届出、通知などを行います。
- 清算会社の清算事務により、残余財産の確定、分配をします。
債権の回収、債務の支払、財産の処分等を行い、会社の解散時の財産を現金化して、残余財産を確定します。残余財産があれば株主に分配します。
解散決議と清算結了決議の間は、清算事務期間として2ヶ月以上あることが必要です。この期間の短縮はできません。具体的には、2ヶ月間、官報で解散公告と債権申出の催告を行います。 - 株主総会の承認と清算結了登記をします。
解散から清算終了までの上記清算会社の清算事務決算報告に関して、株主総会にて承認を得ます。
株主総会の決議があった日から、2週間以内に清算結了登記を行います。 - 税務署他 会社の解散届の提出をします。
清算結了した旨の届を税務署、都・県税事務所、市町村役場に提出し、関係する官庁・取引先にその旨を報告します。
税務署では、会社の清算結了の届出と清算確定申告書の提出をし、清算期間中の決算と申告を行って終了します。
税務署、都・県税事務所、市役所法人市民税課へは、原則として、解散登記と清算結了登記のそれぞれ2回届出します。ただし、都・県税事務所、市町村役場では2回ではなく1回で済むところもあるようなので、確認が必要です。
町田市役所では、解散登記と清算結了登記の間に決算を挟まない場合、解散登記分も含めて清算結了登記時に2回分を一緒に1回で届出することで済みます。
解散登記申請書類の例
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
39,000円の収入印紙を貼付します。 - 登記すべき事項
- 株主総会議事録
解散の件、解散に伴う清算人選任の件を決議します。 - 就任承諾書
株主総会議事録を援用すれば不要です。 - 定款
「当会社の定款に相違ありません。」と書き、押印します。 - 印鑑届出書
設立時と同様で、清算会社の印鑑を新たに届出します。
届出者個人の印鑑登録証明書が必要です。
清算結了登記書類の例
- 株式会社清算結了登記申請書
登録免許税は2千円 - 株主総会議事録
清算結了に係る決議をします。
以下の記載のある決算報告書を一緒に綴じます。- 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額
- 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額
- 残余財産の額(支払税額がある場合、その税額及び当該税額を控除した後の財産の額)
- 一株当たりの分配額(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式一株当たりの分配額)
①残余財産の分配を完了した日
②残余財産の全部又は一部が金銭以外の財産である場合には、当該財産の種類及び価額
清算未結了による閉鎖登記の抹消
清算結了登記を行うことにより会社の登記簿は閉鎖されます。しかし、後から残余財産があるのが分かった場合、清算未結了により、閉鎖登記の抹消(つまり復活)をすることができます。ただし、その復活させた会社は、あくまで残余財産処分のためだけに復活させたのであり、通常の事業活動を行なわせることはできません。残余財産の処分を行なった後は、再度閉鎖登記を行うことになります。
破産
- 破産は、債権者に多大な損害を与えるため、手続きが厳格に決められています。
- 計画倒産のように、不法、不当な破産ではないかということが慎重に調査されます。
- 破産手続きは、弁護士へ依頼して行なうのが現実的です。
- 代理人弁護士が、裁判所に破産の申し立てをしますが、裁判所は別途破産管財人(別の弁護士)を指定して、破産の申し立てが妥当なものかどうかを調査することになります。
- 破産に伴う登記は、裁判所が職権で行います。
費用
- 裁判所に納める破産費用
- 東京地方裁判所の中小零細会社が自己破産する場合で、弁護士が破産申立代理人であれば、ほとんどの場合に少額管財手続きとなり、約22万円です。
- 弁護士に納める破産費用
- 弁護士により違いがありますが、最低で50万円程度です。
売掛金が入金した日に、即座に引き出して、上記破産費用(例えば72万円程度)に充てて、破産手続きに進むことが可能です。
破産の手続き
上記「解散の事由」の「5.破産」による会社の消滅は次のような流れになります。
- 破産の申立て
債務者又は債権者が破産の申立て手続をすることにより、破産手続きは開始します。 - 債務者審尋(申立ての棄却)
破産者に対して、破産に至る経緯や現在の財産、負債の状況を知る目的で、裁判官が事情聴取を行います。 - 保全処分等
申立てから開始決定までの間、裁判所は債務者の財産に対して保全処分を出すことが出来ます。 - 破産手続きの開始決定・破産管財人の選任
裁判所により破産手続きの開始が決定されると、その旨登記され、株式会社は解散し、同時に破産管財人が選任されます。 - 破産債権の届出・調査・確定
債権者は、破産管財人により定められた期間のうちに、破産債権の届出をする必要があります。届出られた破産債権は、破産管財人の債権調査を経た後確定されます。 - 破産財団の管理
破産債権の確定手続と平行し、破産財団(破産会社の財産:管財人が管理する)の調査・管理を行う必要があります。 - 異時廃止
破産手続の決定後、破産財団では破産手続きの費用がこれ以上支弁できないとなった場合には、破産手続廃止の決定がなされ、その旨登記されます。この場合は債権者に対する配当の支払いは行われません。 - 中間配当
破産管財人の裁量により、換価が進んだ破産財団を随時債権者に配当していくことが可能です。 - 最後配当
破産財団の換価がすべて終了した後、届出をした破産債権者に対して配当が行われます。 - 破産手続終結の決定
最後配当が終了した後、債権者の異議申し立て期間が終了したときには破産手続終結が決定されると共に登記され、会社は消滅します。
会社の活動が休止したとき
会社の活動が休止したきに取り得る方法は以下の3つあります。
- 休眠会社にする。
会社をそのままにして、何も届出等を行なわないと休眠会社になります。実際はこのケースが多いです。休眠会社は、一定の期間が経過すると、法務局によって、みなし解散登記がされてしまいます。
>法務省 休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について - 解散・清算登記をする。
設立登記とは逆に、解散・清算登記を行います。手続き的にやや面倒ですし、費用が掛かります。 - 税務署等に届け出る。
上記、解散・清算登記後、税務署、市・区役所に届け出ます。
本来は、3.の方法ですが、面倒だったり、費用がかかったりするので、2.までにしたり、1.のように何もしないで放置し、休眠会社にしてしまうケースが多いです。1.の場合でも、最後の登記から12年以上経過すると、基本的には、みなし解散になるので現実的な不都合はあまりないようです。
休眠会社の復活
会社を解散するには、以下のようなかなり面倒な手続きが必要です。しかも費用がかかります。
税務上の手続き・・・最後の事業年度の確定申告、清算確定申告
登記上の手続き・・・解散の登記、清算結了の登記
結果として、実質的な企業活動を行わなくなると、解散せずに休眠会社にしてしまうケースが多くなっています。会社設立が容易になった分、休眠会社が増えることになりました。
休眠会社が増えるにつれ、今度は休眠会社の復活も増えることになりました。新しい事業を起こす場合、もちろん新しく会社を設立する方が気持ちは良いですが、費用面などの理由から、休眠会社がある場合はその復活というのも一つの方法になります。
休眠会社を復活させるには、税務面と登記面の2つの側面から検討する必要があります。
税務面
全く事業活動をしていなければ、売上、経費、利益がゼロになり法人税はかかりません。ただ、法人税が発生しなくても、本来であれば税務申告が必要になります。しかし、税務署では現実的な対応してもらえるようです。その場合でも、青色申告が取り消され赤字の繰越等の優遇は受けられなくなります。
一方、最低7万円(都税の場合)の法人住民税の均等割りは、事業活動がなくとも会社が存続している限りは発生しています。しかし、こちらも過去の休眠期間分に関して現実的な対応をしてもらえるようなので都税事務所等に確認する必要があります。
なお、現在から将来に向かって、意図的に休眠会社にしたい場合は、実務的な対応として、「休眠の届出」というものを地方自治体によっては受け付けてもらえます。それにより、将来に向かって、法人住民税の均等割りは免除されることになります。
登記面
休眠期間でも役員の重任登記が必要です。その登録免許税は資本金が1億円以内であれば1万円です。過去に遡って登記するわけですが、登記懈怠の過料を請求される可能性があります。その過料の額はケースバイケースで何とも言えませんが、数万円~数十万円程度になる可能性があります。
役員登記の他に、本店住所、目的条項等の変更が必要になる可能性があります。また、それらの前提として定款の変更も必要になります。
町田・高橋行政書士事務所の会社解散・清算サポート
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費用
報酬
- 基本:8万円~(消費税・実費別)
- 取得する書類の範囲、数量、役員の人数などにより変動します。
実費
- 登録免許税 42,000円
- 官公署の書類発行手数料、郵送料、交通費等
- 司法書士に登記を依頼される場合は別途費用が必要です。
期間
2か月半~3か月程度
対応エリア
- 町田市などの東京都
- 相模原市、座間市、厚木市、大和市、綾瀬市、海老名市などの神奈川県
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問合せ
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