債務者口座の開示法改正へ

日本では、債権者が確定判決を得ても、強制執行をするには債務者の財産がどこにあるかを金融機関の支店名まで自力で調べないといけない。そのため、裁判などで確定した賠償金や養育費の不払いが横行している。

債権者がきちんと支払いを受けられないため、判決文が紙切れ同然になっているとも言われる。

法制審議会は、債権者が申し立てると、債務者が口座を持っている可能性のある銀行などの金融機関に対し、裁判所が口座の有無や支店名、預金残高を照会する制度の創設を検討する。

(2016年9月26日 日経新聞)

民泊制度の現状

現在、民泊制度としては、

  • 既にスタートしている特区民泊制度
  • まだスタートしていない新民泊制度

の2つがあります。

  • 特区民泊制度
    • 国家戦略特区の中で、かつ「民泊条例」を制定した自治体のみで営業が可能です。
    • 2016年6月現在で、東京都大田区と大阪府のみで条例が施行されています。
    • 最低宿泊日数の「6泊7日」以上と条件が非常に厳しいといわれています。
    • 今後、国家戦略特区の中の他の自治体が民泊条例を制定するかどうかははっきりしません。
  • 新民泊制度
    • 2016年6月2日に民泊新法の原案を含む「規制改革実施計画」が閣議決定されました。
    • 現時点ではまだ新民泊制度の骨子案があるのみです。
    • 今年秋の臨時国会に提出され、2016年末までに施行予定とされています。
    • 家主居住型と家主不在型の2タイプに区別されます。
    • 2つのタイプ別に、住宅提供者、管理者、仲介事業者に対して適切な規制を課します。
    • 営業日数は年間で90日~180日の間になりそうです。

日本の今後の民泊制度は、特区民泊制度ではなく、新民泊制度がメインとなっていくものと思われます。

(2016月7月29日)

相談急増!「お試し」のつもりが定期購入に

消費者がホームページやSNS等で「健康に良い」「ダイエット効果あり」「バストアップ効果あり」や「有名女優も使用」とうたう広告を見て、商品を通常価格より安い価格で購入したところ、実際は定期購入契約だったというトラブルが急増している。

定期購入をめぐるトラブルでは、消費者が自主的に停止手続きをしないと自動で定期購入へ切り替わってしまうという相談の他、消費者の認識が「お試し」「1回だけ」でありながら実際には定期購入契約になっているという相談が多く寄せられている。

また、解約を申し出ようとしたところ、「事業者へ電話がつながらない」「初回価格だけ支払えばよいと思っていたのに事業者から通常価格を請求された」という相談もみられる。

相談件数が急増

  • 2011年度は520件
  • 2012年度は830件
  • 2013年度は1,471件
  • 2014年度は1,785件
  • 2015年度は5,620件
  • 2016年は、4月と5月だけで、1,586件

相談事例からみる問題点は以下のとおり

  • 定期購入である旨の表示が分かりにくい
  • 解約はできない旨の表示が分かりにくい
  • 解約を申し出たところ、通常価格を請求される
  • 事業者への解約の申し出が困難

商品で最も多いのは健康食品、次いで、化粧品、飲料の順。

トラブルになった場合には消費生活センター(局番なしの188(いやや))に相談。

(2016年6月16日 国民生活センター)

悪質商法 高齢者解約しやすく

商品を購入した後、悪質商法と気づいた場合、一定期間であれば契約を取り消せる制度が強化されました。

  • 悪質商法として、現行の「うその説明」に、「使い切れない量」と「大げさな危険性」を追加
  • 取り消せる期間を、現行の半年から1年に延長

今国会に消費者契約法と特定商取引法の改正案を提出する。
大量売りつけや大げさな危険性の説明に当たるかどうかは、消費生活センターが相談に乗る。

業者への罰則も強化されました。

  • 業務停止命令の期間を「1年以内」から「2年以内」に引き上げる。
  • 国や自治体が悪質な業者に返金計画をつくらせ履行を命じる制度も設ける。
  • 業務停止中の業者が別に法人をつくって同じ業務をすることも禁じる。

日経新聞2016年2月8日

民法の債権法が抜本改正へ

民法の中の債権法が約120年ぶりで抜本改正されることになりました。法制審議会の民法部会が要綱案をまとめました。改正項目は約200と多いですが、以下のような事項がポイントになっています。

  • 法定利率の5%
    ⇒3%で、3年ごとに1%刻みで見直し
  • 連帯保証で破産になるケースがあった。
    ⇒経営者以外の保証人は、公証人が自発的な意思を確認する。
  • 時効が、業種ごとに3年、2年、1年など異なっている。
    ⇒原則10年で、業種問わず、「知ったときから5年」に統一
  • 賃借マンションの契約で、保証人の負う限度額に定めがない、また敷金の規定がない。
    ⇒限度額規定を義務付け、また資金は原則借主に返却と明記
  • 約款に関する規定なし
    ⇒買い手の利益を一方的に害する項目は無効などと明記

【日経新聞 2015年2月11日(水)朝刊「総合2」より】

電子納税 使いやすく、携帯電話で本人確認

確定申告のe-Taxが、使い易くなりそうです。

個人事業主として、e-Taxで確定申告をしてきましたが、正直使いにくいです。4~5年の間に様々なトラブルがあり、相当の時間を投入しました。確かに多くの機能がありますが、分かりにくいですし、住民基本台帳カードやそれを読み込むICカードリーダーが必要だったりと面倒なことが多いです。マニュアルも決して分かり易くないです。

  • ネットから金額を入力して紙を出力する機能
  • その入力データを直接ネット経由で送る機能
  • 会計システムからデータを取り込む機能

などがあります。
ネットから金額を入力して紙を出力する原始的な機能はよくできていて分かり易いのですが、その他の機能はあまりお勧めできません。私も膨大な時間を使っており、いつもやめようかと思いながらも意地になって使っています。

一つの理由が年に1回しか使用しないことです。複雑な使用法を何とか理解しても1年経つとすっかり忘れています。システムの方も変わっていたりします。基本的に年に1回しか使わないという点をよく考えてシステム設計、ユーザインターフェース等を作りこんで欲しいと思います。

2017年からは、携帯電話を利用することにより、住民基本台帳カードをICカードリーダーに読み込ませる必要がなくなるとのことです。

この件に限らず、金融機関をはじめとして、個人情報、個人確認、個人情報保護法とかの理由でやたらとシステム、仕組みを複雑、面倒にして利用者に不便を強いることが非常に多くなっています。もう少し、リスクと利便性のバランスを考えて欲しいものです。

(2015年2月8日)

押し買い(訪問購入)

5月23日に、「押し買い」をしたという耳慣れない理由により、消費者庁がある業者に業務停止を命じました。

押し買いとは、消費者宅を訪問して、貴金属などを安く買いたたく悪徳商法のひとつです。強引に商品を売りつける行為を押売(おしうり)と呼びますが、強引に「買い取った」形にしてしまうので、「押し買い」と呼ばれています。特定商取引法が、昨年2月に改正され、この押し買いが規制対象になりました。そして、今回が初の処分になります。ここ数年、消費生活センターへ、押し買いの相談が急増しています。押し買いは、クーリングオフの対象で8日以内であれば、理由なく取消ができます。

  • 押し買いの手口
    • 執拗に要求することで恐怖感を与えたり、認知症の高齢者を狙ったり、性急な判断を迫って証文なく取引を終えて立ち去る。
    • 一般家庭などを業者が訪問し、家庭にある様々な品物を言葉巧みに提示させ、極端な安値を告げ、まだ品物の持ち主が納得していないにもかかわらず、勝手に買い取ったことにして、品物を持ち去ってしまう。
    • 言葉巧みに「とりあえず買い取り金額の査定をする」などと言って、何らかの品物を持ち去っておきながら、それを持ち主の許可を得ないままに勝手に転売し(あるいは、転売してしまった、ということにして)、極端な安値を告げ、それしか払わない。
    • 暴力や権力を用いるなどして、心理的に圧迫し、安値で売買が成立したことにしろ、と強要する。
  • 被害にあう可能性の高い品物
    貴金属、宝飾品、時計、金貨・古銭、骨董品、着物、金歯、眼鏡、自動車

(2014年5月27日)

厚生年金基金が解散すると年金はどうなる?

会社員の中には厚生年金基金に加入していた(いる)人が結構います。しかし、多くの基金が積立不足に陥っているため、政府は厚生年金基金制度自体を廃止する方向です。現在、既に基金から年金を受給している人は今後自分の年金がどうなるのか非常に心配です。現在、基金に加入している人は、将来自分の年金がどうなるのか心配です。

加入していた(いる)厚生年金基金が解散すると、自分の年金はどうなるのでしょうか?

まず、会社員の年金を整理してみます。

厚生年金基金に加入している会社員の年金は、
 3階部分:厚生年金基金
 2階部分:厚生年金
 1階部分:国民(基礎)年金
の3階建てです。
  • 1階部分
    国民(基礎)年金で、自営業の方と同じ国民皆年金部分です。

    • 保険料
      国民年金保険料としては払っていませんが、第2号被保険者として厚生年金保険料の中に含まれています。
    • 給付
      自営業である第1号被保険者、及び第2号被保険者の被扶養者である第3号被保険者と同様、国民(基礎)年金が支給されます。最長で40年間払い込み、月約6.5万円受け取れますが、実際は6万円前後の受給者が多いと言われています。
  • 2階部分
    厚生年金保険で、会社員独自部分です。

    • 保険料
      1階の国民年金部分を含めて、厚生年金保険料として、給料から控除されています。保険料は、報酬に対応した一定比率を給与に乗じて計算し、その保険料を従業員と会社が折半負担しています。
    • 給付
      国民(基礎)年金部分を除いた部分が、報酬比例の厚生年金として支給されます。
      現役時代の給与によって異なりますが、標準的には、現時点ではおおよそ月10万円強です。
  • 3階部分
    厚生年金基金の部分です。企業年金、業種別年金と呼ばれることもあります。以前、ほとんどの大企業はこの基金制度を持っていましたが、現在その数を急激に減らしています。

    • 掛金
      全額会社負担です。
    • 給付
      • 基本年金(代行部分とプラスアルファ部分)
        厚生年金基金は、厚生年金保険料の一部を政府から預り、代行運用しています。本来は、その代行運用部分(本来の厚生年金の一部です。)と運用益であるべきプラスアルファ部分を基本年金として支給するはずでした。しかし、現実的には、運用がうまくいかず、プラスアルファどころか、マイナスアルファになり、代行割れ(元本割れ)を起こしている基金が多く、大問題になっています。
        基金が代行割れで解散する場合、予定していたプラスアルファ部分は当然受給できません。しかし、代行部分は厚生年金保険の一部で、政府が約束している部分なので、不足部分は基金加入企業、政府などが負担し、受給者への給付が保証されています。つまり、最悪でも、基金に加入していなかった人と同額は受給できるということになります。
      • 加算年金
        企業が基金に掛金を払っており、基金がそれを元手に投資をし、より多くの老後の資金を加入者に支給する予定でした。しかし、ほとんどの基金は、その投資がうまくいっていないため、この加算年金は期待薄です。基金が代行割れ等で解散する場合、この加算年金もなくなります。

上乗せ部分(プラスアルファ部分と加算年金)の受給額は、基金によって大きく違いますが、予定通りもらえている人で、例えば月3万円程度というところです。代行部分の金額は、厚生年金の一部なので、2階部分の金額に含め、上記の3万円には含めていません。(実際に受給するときは、代行部分が基金から支給されますので注意が必要です。)

結論的に、基金から現在年金を受給している人は、一般の厚生年金に上乗せされていた部分(プラスアルファ部分と加算年金で例えば3万円程度)はなくなると思った方が良いです。解散時に余裕のある基金は、若干の上乗せも期待できますが、あったらラッキーという程度かもしれません。結果的に、基金に加入していた会社員の年金額は、基金に加入していなかった会社員と同額に近くなってしまいます。ただ、基金に対しての掛金は会社だけが払っていたので、損をするのは会社であって、従業員が損をするわけではありません。

まだ現役で、現在、基金の加入員である人に関しても、既に基金から年金を受給している人と同等のことが言えます。

2014年5月19日(月)

国民年金(基礎年金)の保険料納付を65歳までに

厚労省は、公的年金制度を見直しています。

  • 財政
    • 2012年度の公的年金収支は、収入43兆円、支出50兆円で、約7兆円の赤字。
  • 国民年金
    • 現在は、保険料を20歳から40年納めると65歳から満額の月額65,000円を受け取れる。
    • 納付期間を45年に延ばし、受取額を月額8,000円程度にする案を検討。
    • 更に、欧米にならって、年金保険料を67~68歳まで納め、受給開始年齢も67~68歳にする案も浮上。
  • 厚生年金
    • 厚生年金の受給開始年齢は段階的に引き上げている最中で、男性は2015年、女性は2030年に65歳開始となる。
    • パート労働者は、週20時間以上働く月収8.8万円以上の人で、従業員が501人以上の大企業に勤める25万人が2016年10月から厚生年金に加入できる。
    • 更に、中小企業の従業員も対象に加え、月収基準も5~6万円以上とし、300万にの加入を目指す。

2014年5月6日(火)