株主に株式の割当をしない株式の募集

公開会社でない株式会社において、株主に株式の割当を受ける権利を与えずにする募集株式の募集事項の決定は、

  • 原則として、株主総会の特別決議になります。
  • ただし、株主総会の特別決議により取締役、または取締役会に決定を委任することが出来ます。

それに対して、公開会社の場合、

  • 株式を引き受ける者に特に有利な発行でない場合は取締役会の決議によります。
  • 株式を引き受ける者に特に有利な発行の場合は、
    • 原則として、株主総会の特別決議によります。
    • ただし、株主総会の特別決議により取締役会に決定を委任することが出来ます。

2011年4月 2日(土)

ライツ・イシューとは何か?

増資には、
公募
第三者割当て
株主割当て
の3種類ありますが、日本ではもっぱら公募増資と第三者割当増資が行われています。

公募増資と第三者割当増資が行われますと、当然ながら既存株主の持ち株比率が減少します。以前から、会社の都合で、ある意味勝手に株式数を増やされ、1株当たりの価値が下がるのに釈然としませんでした。少し前の制度改正で、やっと日本でもライツ・イシューという既存株主に対する割当による増資が増加することになりそうです。まずは既存株主に購入する権利が与えられ、権利を行使しないのであればその他の新規株主が購入するのであれば一応納得できます。

投資収益率に敏感な海外投資家が株式の希薄化を招く日本の増資方式を嫌って、日本の株式市場から撤退しているというのは当然と言えるでしょう。ロンドン証券取引所の2009年上場企業の増資総額のうち、69%がこのライツ・イシュー方式とのことです。今更ながら日本の対応は遅いと言えます。株主を軽視しています。もの言う株主が相対的に少ないということなのでしょう。別にその方式で日本が成り立つのであれば問題ないものの、もはや成り立たなくなっているのは株価を見ても明らかです。即断、即決、即実行の機動的な対応が今の日本には求められています。

2011年3月28日(月)