民法(相続関係)改正法の施行期日

民法(相続関係)改正法の施行期日は以下のとおりです。

(1) 自筆証書遺言の方式を緩和する方策
2019年1月13日
(2) 原則的な施行期日
2019年7月 1日
(3) 配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等
2020年4月 1日

>法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行期日について」

>法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」

自筆証書遺言の内容が有効から無効へ

自筆証書遺言の内容が有効から無効へ

日経新聞11月21日付朝刊に、
斜線の遺言書「無効」 最高裁判決「故意に破棄」認定
という記事がありました。

遺言者自らが赤いボールペンで遺言書全体に斜線を引いた自筆証書遺言は有効か?

  • 遺言内容は、土地建物や預金などのほぼ全財産を長男に相続させる内容
  • 長女が「赤いボールペンで斜線を引いであるので無効」として、無効の確認を求めて提訴した。
  • 一審・広島地裁、二審・広島高裁は、「元の文字が判読できる程度の斜線では効力は失われない」として無効ではないと判断
  • 最高裁第2小法廷は、「赤いボールペンで文面全体に斜線を引く行為は、一般的には遺言の全効力を失わせる意思の表れとみるべきだ」として無効とした。

自筆証書遺言は、無効になるケースが良くあります。できれば公正証書遺言に、自筆証書遺言にする場合では少なくとも専門家に確認してもらうことが必要と言えます。

(2015年11月21日 日経新聞より)

自筆証書遺言の簡単な書き方

遺産相続でもめるケースが多くなっているようです。本人が亡くなれば相続人が少しでも多く遺産を受け取りたいと考えるのは自然です。遺産相続でもめることが多くなってきたのには以下のような背景があるようです。

・一般の人にも不動産、預金といった相続する遺産が増えてきた。
・遺産相続をする世代の人々の生活が厳しくなってきている。
・長男が相続すべきという考え方と子供が公平に相続すべきという考え方が並存している。

遺産相続はもめて当然。もめない方が不思議です。
遺言は民法の規定に優先します。自ら責任を持って自分の財産は引継がせたいものです。遺産のあることが紛争の種にならないよう遺言を残すことが必要です。

そこで、最も簡単な遺言書の書き方です。

自筆証書遺言の要件

主に3種類ある遺言書の方式のうち、最も簡単なものは自筆証書遺言です。
自筆証書遺言を書く上での絶対要件は、

全文自筆、捺印、日付

の3点です。
この要件が一つでも欠けると無効になります。現実問題、折角遺言が見つかっても無効になるケースが少なくありません。

1)全文自筆:一部でもPC等の出力は不可です。手書きです。当然、鉛筆
ではなく消しにくいボールペン、毛筆等で書きます。
2)捺印:認印でも構いませんが出来れば実印です。とにかく印鑑が捺して
ある必要があります。
3)日付:明確に日付が特定できる記載が必要です。西暦でも和暦でも、年
月日を記載しておけば間違いありません。

自筆証書遺言の保管方法

紙は便箋で構いません。上記3点を満足させた遺言を書いた紙を封筒に入れ封をします。遺言書は家庭裁判所で開封されるものです。親族であっても勝手に開封すると罰せられます。そのためには開封されないような工夫が必要です。封筒の表に「遺言書」と書き、裏に「開封せずに速やかに家庭裁判所に届けてください。」と朱書きすると良いかもしれません。あるいは封筒を2重にし、外封筒に封緘された遺言書とその朱書きした書面を入れておくのも良いかもしれません。

もう一つ重要なのは亡くなった時にすぐに見つかることです。すぐに見つかるような引き出しに入れておく、信頼できる親戚に預けておく、相続人の一人に預けるなどがあります。簡単に見つかって改ざんされるのもまずいですし、死後すぐに見つからないのもまずいです。

”自筆証書遺言の具体例’
書く際は、誰に何を相続させるのかを具体的に、明確に書く必要があります。事情が変わった時、気が変わった時は新しい日付で再度書き直せば良いです。古いほうは破棄する方が良いですが、破棄しなくとも新しい日付の方が優先されます。

以下、サンプルとして簡単な例を示します。
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遺言書

遺言者、中村太郎は、下記の通り遺言する。

1.妻、中村花子に、次の不動産を相続させる。
1)所在、地番、 ........
<宅地を登記簿通りに記載する>
2)所在、家屋番号、 ........
<建物を登記簿通りに記載する>

2.長男、中村一郎に、次の預貯金を相続させる。
1)○○銀行○○支店 普通預金 口座番号123456

3.長女、中村一子に、次の預貯金を相続させる。
1)△△銀行△△支店 普通預金 口座番号123456

4.長男、中村一郎に、上記記載の不動産、預貯金を除く一切の財産を相続
させる。

平成XX年XX月XX日
中村太郎 印
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(2009年12月10日)