相続託し「争族」回避

本日の日経新聞に遺言信託の記事が掲載されています。

遺言信託は、遺言書の作成から、遺産の名義変更まで信託銀行が請け負う方法です。

  • 2013年3月末の遺言信託契約件数は約8万件、この10年間で2倍に増えた。
  • 遺言信託では、遺言書の作成に半年、担当の行員が契約書の自宅に足しげく訪問する。
  • 遺言書の作成から死後の財産分与まで、平均で7~8年かかる。
  • 基本手数料は、20万円~30万円程度、財産分与に必要な執行報酬は100万円以上かかる。

遺言信託は、進め方、費用などを考えると相当な資産家向けと言えます。遺産総額が数億円以上であれば良いかもしれませんが、一般の人には敷居が高いと言えます。行政書士であれば、同等のことを行っても数分の1の金額で済みます。

  • 2015年からの相続増税
    2015年1月1日以降に発生する相続に関しては増税されることが決定されています。

    • 相続税を支払う人の比率は4%から7%に上がると言われています。
    • 基礎控除額
      「5000万円+1000万円×法定相続人の数」から「3000万円+600万円×法定相続人の数」へと引き下げられます。
      相続人一人の場合、相続財産が6000万円までは課税対象外でしたが、それが3600万円になります。
    • 税率
      課税対象の相続財産が、2億円超から3億円以下が、40%から45%へ上がります。
      課税対象の相続財産が、6億円超部分が、50%から55%へ上がります。
    • 結果として、相続税支払いのため不動産を売却したり、物納したりするケースが増えると言われています。

相続に関する家庭裁判所への相談件数は、増加しており、2012年度に17万件を超えました。
今後も増税、老齢年金額の低下、相続人層の資産減少、権利意識の向上などにより、相続に関する争いはますます増えていくと思われます。

2013年10月14日 日経新聞より