監査役の役割と取締役との関係は?

監査役の職務は取締役の職務執行の監査にあります。

株式会社は所有と経営の分離が行われているので、株主が経営の専門家である取締役に会社運営を委任していることになります。しかし、委任された取締役は権限が大きいので、勝手なことをしないとも限りません。そこで、会社の所有者である株主は、取締役を監視する者として監査役を会社内に送り込むことにしました。つまり会社運営を任せた人とそれを監視する人の両方を会社に送り込んで均衡を図っていることになります。

取締役が少ないうちは、株主が直接、取締役の行動を監視することができなくはないです。そこで、監査役の設置はまず原則的に任意になっています。しかし、規模が大きくなり、取締役会を置くような場合には、(例外はありますが)原則的に監査役が必要になります。取締役会の設置には取締役が3名以上必要です。取締役が増えると株主から離れて勝手なことをする可能性が高まるという意味から、監視する人が必要になるわけです。

取締役と監査役は、監視される側と監視する側の関係なので、兼務することはできません。また、親会社の取締役は子会社の監査役を兼務して、子会社を監視することができます。しかし、親会社の監査役は子会社の取締役になると立場が弱くなり、親会社の取締役の監視という本来の職務がしにくくなるので兼務が出来ないことになっています。

なお、監査役就任時に印鑑登録証明書は必要ありません。

(2011年11月20日)